判旨
犯罪後の法律の変更により刑が軽くなった場合、刑法6条および同法10条の規定に従い、最も軽い法律(行為時法)を適用して処断すべきである。
問題の所在(論点)
犯罪後に法律が変更され法定刑が変動した場合において、刑法6条および10条に基づきどの法律を適用して処断すべきかが問題となった(刑の軽重の比較と適用法の選択)。
規範
刑法6条によれば、犯罪後の法律の変更により刑が軽くなったときは、その軽い方の法律を適用すべきである。また、刑法10条に基づき、刑の重軽を比較して処罰の範囲を決定すべきである。具体的には、新旧両法の法定刑を比較し、最も被告人に有利な(刑が軽い)法律の範囲内で量刑を行うべきである。
重要事実
被告人は食糧管理法違反の罪に問われたが、犯罪後の法律変更(罰金等臨時措置法の制定・改正等)が介在した。原判決は、刑法6条および10条を適用し、後に成立した法律(罰金等臨時措置法等)を適用せず、より刑の軽い行為時法である食糧管理法の法定刑の範囲内で被告人を処断した。
あてはめ
本件では、行為時法である食糧管理法の法定刑が、後の法律(罰金等臨時措置法)を適用した場合よりも軽かった。裁判所は刑法6条・10条の原則に従い、各法律の刑を比較した上で、最も軽い行為時法の範囲内で量刑を選択した。これは「軽い刑を定めた法律を適用する」という法原則に忠実な評価といえる。
結論
犯罪後に刑の変更があった場合、刑法6条に基づき最も軽い法律を適用すべきであり、本件において行為時法が最も軽かった以上、同法の範囲内で処断した原判決に誤りはない。
実務上の射程
法律の変更があった際の経過措置に関する基本判例である。答案上は、事後法の適用が被告人に不利益になる場合には、刑法6条の原則に従い、より有利な旧法(行為時法)を適用すべき根拠として活用できる。
事件番号: 昭和24(れ)1335 / 裁判年月日: 昭和27年12月11日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】法令の改正があった場合、改正法附則に特段の経過規定がある限り、改正前の行為については旧法を適用すべきであり、これに反して新法を適用した判決は擬律錯誤の違法がある。 第1 事案の概要:被告人は、昭和21年11月から同22年11月頃(判示第一)及び同23年1月頃(判示第二)に、食糧管理法に基づき制限さ…