判旨
併合罪の関係にある罪のうち、一部の罪について大赦による赦免があった場合、裁判所は当該部分について免訴を言い渡し、残りの罪について刑を再画定すべきである。本判決は、公文書変造・行使・詐欺の罪と物価統制令違反の罪が併合罪として処理されていた事案において、後者のみを免訴とした。
問題の所在(論点)
併合罪として一括して有罪判決を受けた罪のうち、一部の罪が判決確定前に大赦によって赦免された場合、裁判所はどのような法的措置を講じるべきか。
規範
併合罪として処断された複数の罪のうち、一部の罪に対して大赦令による赦免(大赦令1条)があった場合、裁判所は刑事訴訟法に基づき、当該赦免された罪については免訴の言渡しをしなければならない。この際、併合罪として一体的に宣告されていた原判決の有罪部分を破棄し、残余の罪について改めて法定刑を適用して処断刑を決定する。
重要事実
被告人は、公文書変造、同、行使、詐欺、および物価統制令違反の罪に問われ、原判決ではこれらが併合罪として処断されていた。しかし、上告審係属中の昭和27年4月28日、大赦令(昭和27年政令第117号)が施行され、物価統制令違反の罪が赦免の対象に含まれることとなった。
あてはめ
本件では、物価統制令違反の罪が大赦令1条87号により赦免されたことが認められる。そのため、原判決のうち被告人に関する有罪部分(免訴されるべき罪と併合罪の関係にある部分)を破棄する必要がある。物価統制令違反については免訴とする一方、残る公文書変造、同行使、詐欺の各罪については、手段結果の関係(牽連犯)にあるため刑法54条1項後段を適用し、最も重い公文書変造の罪の刑期範囲内で改めて懲役1年、執行猶予2年を言い渡すのが相当である。
結論
原判決中、被告人に関する有罪部分を破棄する。物価統制令違反の罪については免訴とし、残りの公文書変造・行使・詐欺の罪について被告人を懲役1年(執行猶予2年)に処する。
事件番号: 昭和27(あ)3289 / 裁判年月日: 昭和28年3月27日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】複数の罪が併合罪の関係にある場合において、一部の罪に大赦があったときは、その部分について免訴を言い渡し、残りの罪について刑を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、詐欺罪(刑法246条1項)および物価統制令違反の罪に問われ、第一審および控訴審で有罪判決を受けた。その後、最高裁判所での上告…
実務上の射程
併合罪の一部に免訴事由(大赦等)が生じた場合の処理手順を示す実務上の先例である。答案上は、数罪が刑法45条後段等の併合罪関係にある際、一部の罪のみが処罰要件を欠くに至った場合の主文の書き方や判決構成の基礎となる。特に、一部免訴に伴う科刑の再計算が必要になる点に注意を要する。
事件番号: 昭和26(あ)4832 / 裁判年月日: 昭和27年12月23日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】物価統制令違反と詐欺の併合罪について、上告審での職権調査により物価統制令違反に大赦があったことが判明した場合、原判決を破棄し、大赦があった事実について免訴を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、物価統制令違反の事実(一審判決認定第一の事実)および刑法246条1項の詐欺の事実(一審判決認…
事件番号: 昭和26(れ)2232 / 裁判年月日: 昭和27年11月11日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令の施行により公訴事実の一部について大赦があった場合、当該部分については免訴を言い渡すべきであり、その余の罪と牽連関係等にあるときは原判決を破棄した上で改めて刑を量定すべきである。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cらは、物価統制令違反、公文書偽造・同行使、詐欺等の罪に問われていた。原審判決後…
事件番号: 昭和27(あ)4502 / 裁判年月日: 昭和28年2月24日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】物価統制令違反の罪について大赦があった場合には、刑事訴訟法に基づき、判決で免訴を言い渡すべきである。また、複数の犯罪事実のうち一部に免訴の事由があるときは、その部分を免訴し、残余の事実について刑を適用する。 第1 事案の概要:被告人は物価統制令違反(同令3条、4条、33条違反)および詐欺、横領の罪…
事件番号: 昭和27(あ)5217 / 裁判年月日: 昭和28年4月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合には、裁判所は刑事訴訟法337条3号に基づき、当該事実について免訴の判決を言い渡さなければならない。 第1 事案の概要:被告人は物価統制令3条違反および詐欺の罪に問われ、第一審および控訴審において有罪判決を受けた。しかし、上告審係属中に「昭和27年政令第117…