判旨
犯罪後の事情の変化があったとしても、それだけで直ちに当該事犯が可罰性を失い、処罰できなくなるわけではない。
問題の所在(論点)
犯罪成立後に生じた諸事情の変化によって、当該行為の可罰性が事後的に消滅したといえるか(刑罰権の存続)。
規範
犯罪が成立し、刑罰権が発生した以上、その後の諸事情の変化があったとしても、法的に特別な規定がない限り、当然に当該事犯の可罰性が消滅するものとは解されない。
重要事実
被告人が犯した事犯について、弁護人が上告趣意において「事後の事情の変化(論旨第一点の内容)」を理由に可罰性の喪失を主張したが、事案の具体的詳細(どのような犯罪か等)については判決文からは不明である。
あてはめ
弁護人が主張するような諸般の事情があったとしても、被告人が行った事犯が「既に可罰性を失ったものといえないことは当然」であると判断される。記録に照らしても、刑訴法411条を適用して原判決を破棄すべき顕著な事由は認められない。
結論
被告人の事犯は可罰性を失っておらず、上告は棄却される。
実務上の射程
犯罪成立後の情状や社会情勢の変化のみをもって、実体法上の可罰性自体が当然に否定されることはないという一般論を確認する際に用いられる。もっとも、決定文が極めて簡潔であるため、具体的な判断基準としての活用範囲は限定的である。
事件番号: 昭和25(あ)1205 / 裁判年月日: 昭和27年6月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法第56条及び第57条における累犯加重の規定は、憲法第14条等の法の下の平等や適正手続に反するものではなく、合憲である。 第1 事案の概要:被告人は累犯加重の対象となる前科を有していたところ、刑法第56条及び第57条の規定に基づき刑を重くされた。これに対し弁護人は、累犯加重の規定が憲法に違反する…