供述調書の任意性は、裁判所が適当と認める方法で調査すれば足りるものである。
供述調書の任意性の調査方法。
刑訴法325条
判旨
憲法37条1項が規定する「公平な裁判所」とは、裁判所の組織および構成において偏頗(へんぱ)で不公平なおそれのない裁判所を指す。また、供述調書の任意性については、裁判所が適当と認める方法で調査すれば足りる。
問題の所在(論点)
1. 憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」の意義。 2. 供述調書の任意性を判断するための調査方法の要否(自由な証明の許容性)。
規範
1. 憲法37条1項にいう「公平な裁判所」とは、その組織および構成において偏頗(へんぱ)で不公平な裁判所でないことを指す。 2. 供述調書の任意性の調査については、厳格な証明までは要せず、裁判所が適当と認める方法によって調査を行えば足りる(自由な証明)。
重要事実
被告人AおよびBが賭博場開張図利等の罪に問われた事案。第一審判決は「寺銭を徴収して利を図り」と判示して図利の事実を認定した。これに対し、被告人側は、裁判所の構成が不公平であり憲法37条1項に違反すること、および供述調書の任意性の調査手続が不当であることを理由に上告した。
あてはめ
1. 憲法37条1項の「公平な裁判所」については、本件裁判所の組織や構成において不公平な点があるとは認められないため、憲法違反には当たらない。 2. 供述調書の任意性について、原審は裁判所が適当と認める方法で調査を行っており、その手続に違法はない。任意性の有無は実体法上の犯罪事実そのものではないため、厳格な証明を要しないとする原判決の判断は正当である。
結論
被告人らの上告を棄却する。憲法違反および訴訟法違反の主張はいずれも理由がない。
実務上の射程
憲法37条1項の解釈として「組織・構成の客観的公平性」を重視する規範は、裁判官の除斥・忌避等の議論の前提となる。また、自白の任意性の調査が「自由な証明」で足りる点は、刑事訴訟実務における証拠調べ手続の効率性と柔軟性を担保する重要な指針として機能する。
事件番号: 昭和47(あ)154 / 裁判年月日: 昭和47年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】賭博場開張等図利罪を規定する刑法186条2項は、憲法13条が保障する幸福追求権等に違反せず、合憲である。 第1 事案の概要:上告人は、賭博場開張等図利の罪(刑法186条2項)に問われ、有罪判決を受けた。これに対し、同条項が憲法13条に違反し違憲であると主張して上告したものである。 第2 問題の所在…
事件番号: 昭和29(あ)3165 / 裁判年月日: 昭和30年3月17日 / 結論: 棄却
必要弁護事件につき、弁護人の選任がないまま、第一回公判期日を開いても、ただ人定質問をしたにとどまる場合には、弁護権の行使を不法に制限したことにはならない。
事件番号: 昭和26(あ)1270 / 裁判年月日: 昭和28年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法38条2項にいう不当に長い拘禁後の自白に該当するか否かは捜査の経緯に照らして判断されるべきであり、また憲法37条2項は裁判所に被告人が申請した全証人の取調べ義務を課すものではない。 第1 事案の概要:被告人Dは、勾留当日から22日目までの間に検察官等に対して自白を行った。弁護人は、これが憲法3…