判旨
刑法186条1項の常習賭博罪の規定は、憲法違反により失効したものではなく、現在もなお効力を有する。憲法違反を理由に同罪の失効を主張する上告理由は、実質的に量刑不当を主張するものにすぎず、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
刑法186条1項の常習賭博罪の規定が、憲法に違反し、効力を失っているか。また、それを理由とする上告が適法か。
規範
刑法の常習賭博罪(刑法186条1項)の規定は憲法に違反せず、その効力は失われていない。同罪の合憲性については、昭和25年11月22日大法廷判決の示した判断枠組みを維持する。
重要事実
被告人が常習として賭博を行ったとして刑法186条1項の常習賭博罪に問われた事案。弁護人は、同規定が憲法に違反し失効している旨を主張して上告したが、具体的な憲法違反の内容や事実関係の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁は、常習賭博罪の規定が失効したとはいえないことを、先例(昭和25年11月22日大法廷判決)を引用して簡潔に肯定した。本件における憲法違反の主張は、その実質において量刑が不当であることを主張するに帰するものであり、刑事訴訟法上の適法な上告理由(405条各号)に当たらないと評価した。また、記録を精査しても、職権で判決を取り消すべき重大な事由(刑訴法411条各号)も認められないと判断した。
結論
本件上告を棄却する。常習賭博罪の合憲性は維持されており、その失効を前提とした主張は適法な上告理由にならない。
実務上の射程
常習賭博罪の合憲性を争う余地がないことを簡潔に確認する際に参照される。司法試験の答案上では、刑法各論の賭博罪の成否が問題となる場面で、前提となる規定の効力について疑義が呈された際の補強として機能するが、現在は合憲性が確立しているため、論点として深く論じられることは少ない。
事件番号: 昭和26(れ)1430 / 裁判年月日: 昭和26年12月7日 / 結論: 棄却
刑法中賭博罪に関する規定は、憲法に違反しない。