判旨
被告人が常習として賭博を行ったことが記録上明らかである場合には、刑法186条1項の常習賭博罪が成立し、原判決の維持に特段の不当な点はない。
問題の所在(論点)
被告人の本件賭博行為について、刑法186条1項に規定される「常習として」という要件を充たすか、またそれにより原判決を破棄すべき事由があるか。
規範
刑法186条1項の「常習として」とは、賭博行為を反復累行する習癖があることを指し、当該行為が反復して行われた客観的事実や、被告人の経歴・動機等の諸事情を総合して判断される。
重要事実
被告人は、本件の賭博行為について起訴されたが、弁護人は訴訟法違反等を理由に上告。しかし、記録によれば被告人が常習として本件賭博をしたものであることが認められる事案であった。
あてはめ
最高裁判所は記録を精査した結果、被告人が本件賭博を「常習として」行ったものであることが明らかであると認定した。弁護側の主張は単なる訴訟法違反の主張にとどまり、刑訴法405条の上告理由に当たらない上、記録上の常習性が明確である以上、刑訴法411条を適用して原判決を破棄すべき不当な点も認められない。
結論
本件賭博は常習として行われたものと認められるため、常習賭博罪の成立を前提とした原判決は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
常習性という規範的構成要件の認定において、裁判所が記録上の事実関係に基づき包括的に判断する実務上の運用を示す一例である。答案上は、常習性の定義(習癖の存在)を簡潔に示した上で、事実関係から反復性や動機の定着性を指摘する際の根拠となる。
事件番号: 昭和24(れ)1380 / 裁判年月日: 昭和24年11月17日 / 結論: 棄却
賭博の常習とは、賭博を反覆累行する習癖を指し、所論のようにその者の生活において賭博が常態化していることを要するものではない。されば原判決が判示賭博の外五回に亘りいずれも同種の賭博を累行した事蹟に徴し常習を認定したことは經驗則に照し肯認し得るところであつて、原判決には所論の違法は存しない。