刑法中賭博罪に関する規定は、憲法に違反しない。
刑法中賭博罪に関する規定の合憲性
憲法13条,刑法185条,刑法186条1項
判旨
刑法が賭博を罪として処罰する規定は、個人の自由を不当に制限するものではなく、公共の福祉に適合するものであり、憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
刑法の賭博罪規定が、憲法の保障する基本的人権を侵害し、憲法に違反するか否か。
規範
刑法における賭博罪の規定は、勤労による財産形成という健全な経済風俗を維持し、社会の秩序を保つという公共の福祉を目的としており、合理的根拠に基づく制約であるため、憲法に抵触しない。
重要事実
上告人は、刑法の賭博罪(刑法185条)に関する規定が憲法に違反するものであると主張し、第一審および控訴審の有罪判決に対して上告した。具体的な賭博の態様や状況等の詳細は本判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁判所大法廷判決(昭和25年11月22日)の趣旨に照らせば、賭博行為は公序良俗に反し、勤労の美風を害するものであるため、これを法律で禁じることは憲法が認める公共の福祉による制限の範囲内であるといえる。本件においても、同様の判断枠組みを維持するのが相当である。
結論
刑法の賭博罪に関する規定は憲法に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
憲法訴訟における「公共の福祉による制限」の具体例として、賭博の禁止が合憲であることを示す際に応用できる。司法試験の答案上は、パチンコや公営ギャンブル等の例外との対比や、自己決定権の限界を論ずる際の先行判例として参照すべき射程を持つ。
事件番号: 昭和25(あ)982 / 裁判年月日: 昭和26年5月1日 / 結論: 棄却
賭博及び富籖に関する行為が風俗を害し公共の福祉に反するものというべきこと勿論であつて、政府乃至都道府縣が自ら賭場開帳図利若しくは富籖罪と本質上同一の行為を為すこと自体が適法であるか否か又これを認める立法の当否は問題となるが原に犯罪行為と本質上同一である或る種の行為が行われているという事実並にこれを公認している立法がある…