判旨
裁判所が諸般の事情を考慮した上で、被告人に対し法定刑の範囲内の刑を言い渡すことは、憲法11条および13条に違反しない。
問題の所在(論点)
裁判所が法定刑の範囲内で量刑を決定することが、憲法11条(基本的人権の享有)および13条(個人の尊重・幸福追求権)に違反するか否かが問題となる。
規範
適正な量刑判断は、法律により定められた刑罰の範囲内(法定刑)において、裁判所が諸般の情状を総合的に考慮して決定する裁量権の行使である。このような適正な裁量に基づく量刑は、個人の基本的人権の尊重や公共の福祉への配慮を定める憲法上の規定に抵触するものではない。
重要事実
被告人は刑事事件において有罪の判決を受け、特定の刑を言い渡された。これに対し弁護人は、当該量刑が不当であり、ひいては個人の尊厳や基本的人権を保障する憲法11条および13条に違反するものであるとして上告した。
あてはめ
本件において、裁判所は諸般の事情を考慮した上で法定刑の範囲内での刑を言い渡している。この判断は、裁判所に与えられた法律上の裁量権を逸脱するものとは認められず、個人の基本的人権を不当に侵害するものとはいえない。したがって、実質的に量刑不当を主張する上告趣意は、憲法違反の根拠を欠くものである。
結論
裁判所が法定刑の範囲内で刑を言い渡すことは憲法11条および13条に違反しないため、上告は棄却される。
実務上の射程
量刑不当を理由に憲法違反を主張する上告に対する典型的な拒絶の論理。司法試験においては、罪刑法定主義の帰結として、法定刑の範囲内での裁量判断が原則として合憲であるという点を確認する際に参照される。
事件番号: 昭和27(あ)1530 / 裁判年月日: 昭和28年8月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の量定は、被告人ごとに各般の事情を斟酌して個別具体的に決定されるべきものであり、共同被告人間の刑の不均衡の問題は憲法37条1項の公平な裁判の保障に反するものではない。 第1 事案の概要:被告人らは、共同被告人間の刑の量定に著しい不均衡があることが憲法37条1項(公平な裁判を受ける権利)に違反する…
事件番号: 昭和26(あ)4843 / 裁判年月日: 昭和28年6月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条1項にいう「公平な裁判所」とは、偏頗の恐れがなく、中立公正な立場において裁判を行う裁判所を指すものであり、量刑が不当であるとの主張は、同項の趣旨に反するとの憲法違反を構成しない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人は、第一審判決の量刑を不当として控訴したが、原審(控訴審)においても量刑…