判旨
判決後の大赦により免訴事由が生じた場合、上告裁判所は職権で原判決を破棄し、当該罪名について免訴の言渡しをすべきである。また、併合罪の一部に免訴事由がある場合、残余の罪について改めて刑を量定し、没収等の付随的処分も適法に組み直す必要がある。
問題の所在(論点)
併合罪として処罰された数罪のうち、原判決後に一部の罪について大赦があった場合、上告審はどのような裁判をすべきか。また、その際の刑の量定および没収の扱いはどうあるべきか。
規範
上告審において、判決後に大赦があったことが判明した場合、刑事訴訟法411条5号(刑の廃止等)に基づき職権で原判決を破棄しなければならない。この場合、同法337条3号により免訴の言渡しを行う。併合罪の関係にある数罪のうち一部に免訴事由が生じたときは、残余の罪について刑法45条以下の規定に従い、改めて刑を画定し、犯人以外の者に属しない犯罪組成物件については刑法19条に基づき没収を言い渡す。
重要事実
被告人は食糧管理法違反の数個の罪(判示第一乃至第五)に問われ、第一審および原審(二審)で有罪判決を受けていた。しかし、原判決があった後の昭和27年に「大赦令(昭和27年政令117号)」が公布・施行され、被告人が犯した罪のうち、判示第四及び判示第五(ロ)の食糧管理法違反の罪が大赦の対象となった。弁護人は量刑不当を理由に上告していた事案である。
あてはめ
本件では、判示第四及び第五(ロ)の事実に大赦が認められるため、刑訴法411条5号により職権で原判決及び第一審判決を破棄する。大赦を受けた部分については、刑訴法337条3号を適用して免訴とする。一方で、大赦の対象外である判示第一乃至第三、及び第五(イ)の罪については、依然として有罪である。これらは刑法45条前段の併合罪に当たるため、同法47条に基づき、最も重い第五(イ)の罪の刑に法定の加重をした範囲内で懲役4月を量定する。また、没収については、有罪となる罪の組成物件であり、かつ被告人以外の者に属しない換価金について、刑法19条1項1号・2項を適用して没収を維持する。
結論
原判決及び第一審判決を破棄し、大赦の対象となった罪について免訴を言い渡すとともに、残余の罪について被告人を懲役4月に処し、関連する犯罪組成物件の換価金を没収する。
実務上の射程
併合罪の一部に免訴・公訴棄却等の裁判上の障壁が生じた場合の処理手順を示す実務的先例。答案上では、一部の罪が免訴等になる際、全体の刑期を再計算し、没収等の付加刑がどの主文に対応するかを明確に峻別する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和27(あ)794 / 裁判年月日: 昭和27年11月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】複数の罪が併合罪として処罰されている場合において、その一部に大赦があったときは、刑訴法411条5号により原判決の有罪部分を全部破棄し、大赦があった罪については免訴を、その他の罪については改めて刑を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は食糧管理法違反等の複数の罪に問われ、第一審および控訴審…
事件番号: 昭和27(あ)2370 / 裁判年月日: 昭和27年11月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】判決後に行われた大赦により免訴の事由が生じた場合、上告裁判所は職権で原判決を破棄し、当該部分について免訴を言い渡すべきである。併合罪の一部に大赦があったときは、その部分を免訴とした上で、残余の罪について刑を再構成して言い渡すこととなる。 第1 事案の概要:被告人両名は、食糧管理法違反等の罪で第一審…