判旨
判決後に刑の廃止があった場合であっても、法律の経過規定により「従前の例による」とされるときは、なお従前の罰則を適用して処罰することができる。
問題の所在(論点)
刑訴法411条等の文脈において、原判決後の刑の廃止がなされた場合でも、法律の経過規定(「従前の例による」)に基づき依然として被告人を処罰することが許容されるか。
規範
刑罰を規定する法令が廃止または変更された場合において、新法令の附則等に「罰則の適用については、なお従前の例による」との経過規定が置かれているときは、憲法39条や刑法6条の趣旨にかかわらず、行為時の法令を適用して処罰することが認められる。
重要事実
被告人は、特定の法令違反により有罪判決を受けたが、その原判決後に当該法令が廃止された。被告人側は、原判決後に刑の廃止があったことを理由に上告を申し立てた。なお、当該法令の廃止に際しては、昭和24年政令389号附則2項および昭和27年法律137号3条において、罰則の適用については従前の例によるとの規定が存在していた。
あてはめ
本件において、原判決後に該当する罰則が廃止されている事実は認められる。しかし、当該廃止に伴う経過措置として、昭和24年政令389号附則2項および昭和27年法律137号3条は「罰則の適用についてはなお従前の例による」と明示している。この経過規定が存在する以上、本件には依然として従前の罰則が適用されるべきであり、刑の廃止による免訴等の措置を講じる必要はないと解される。
結論
本件については従前の罰則により処罰されるべきであり、刑の廃止を理由とした上告は理由がなく、原判決を破棄すべき事由(刑訴法411条)も認められない。
実務上の射程
事件番号: 昭和25(あ)1384 / 裁判年月日: 昭和26年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】いわゆるポツダム勅令(昭和20年勅令第542号)は、憲法に違反せず有効である。 第1 事案の概要:被告人が、ポツダム宣言の受諾に伴う命令に違反したとして起訴された事案。弁護人は、その根拠となる昭和20年勅令第542号が憲法に違反し無効であると主張して上告した。なお、本判決の原文には具体的な犯罪事実…
法令が改廃された際、附則に「なお従前の例による」という経過規定がある場合は、刑法6条の「軽い方の刑を適用する」という原則や、刑訴法337条2号(刑の廃止による免訴)の適用が制限され、旧法での処罰が維持されることを示す実務上の基本指針である。
事件番号: 昭和25(あ)1580 / 裁判年月日: 昭和26年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑訴法405条の上告理由に当たらない主張や、同411条を適用すべき職権調査の必要性が認められない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が各上告趣意を申し立てたが、原審判決の維持が争われた事案である。具体的な犯罪事実については本決定の文面からは不明である。 第2 問題の所在(…
事件番号: 昭和27(あ)1511 / 裁判年月日: 昭和28年2月17日 / 結論: 棄却
所論減刑令は刑の執行に関する規定であつて、同四一一条五号の場合にあたらない。
事件番号: 昭和23(れ)956 / 裁判年月日: 昭和24年5月18日 / 結論: 破棄差戻
一 一事不再審の原則は判事判決の既判力の一作用に外ならない。元來判決の既判力というものは一旦判決によつて一定の法律關係(刑罰權又は私權等)の存否が確定された以上原則として、爾後は法律上有効にこれを變動せしめないということをその本質とするのである。 二 民事においては裁判所は判決により確定された法律關係については、その判…
事件番号: 昭和26(れ)2005 / 裁判年月日: 昭和27年12月26日 / 結論: 棄却
原審で同種の犯行につき有罪判決を受け、ともに上告の申立をし、当審で併合審理を受けた共同被告人の一人が、旧刑訴法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則第一〇条により定めた期間内に上告趣意書を差し出さなかつたときは、他の共同被告人については原判決後に大赦があつたことを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上…