所論減刑令は刑の執行に関する規定であつて、同四一一条五号の場合にあたらない。
減刑令は刑の執行に関する規定である
昭和27年政令118号減刑令,刑訴法411条5号
判旨
減刑令は刑の執行に関する規定であって、刑の変更(刑法6条)や刑の廃止(刑訴法411条5号)には当たらないため、これを理由に判決を破棄することはできない。
問題の所在(論点)
恩赦法に基づく減刑令の発布が、刑訴法411条5号の「判決後において刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと」に該当し、最高裁判所が判決を破棄すべき事由となるか。
規範
刑訴法411条5号にいう「判決後において刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと」とは、実体法上の刑そのものが改廃された場合を指す。一方、恩赦の一種である「減刑令」は刑の執行に関する規定に留まるものであり、右規定の適用対象には含まれない。
重要事実
被告人が上告中の事案において、弁護人は「減刑令」の発布を理由として、刑訴法411条5号(判決後の刑の変更等)を適用し、原判決の破棄および刑の減軽を求めて上告趣意を申し立てた。
あてはめ
事件番号: 昭和26(あ)2465 / 裁判年月日: 昭和28年1月23日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合には、当該部分について免訴を言い渡すべきであり、大赦の対象外の罪数については、適法な法令の適用に基づき併合罪として処断すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、法定の除外事由がないにもかかわらず、連合国占領軍の物資(ドル表示軍票以外のもの)を所持したとして、…
減刑令は、確定判決に基づき執行されるべき刑を政令により個別的または一般的に減軽する「刑の執行」に関する規定である。これに対し、刑訴法411条5号が予定しているのは、法令の改廃等により実体的な刑罰権そのものが消滅または変更された場合である。したがって、本件で主張される減刑令の存在は、訴訟手続上、判決を破棄すべき適法な事由を構成しない。
結論
減刑令は刑の執行に関する規定であり、刑訴法411条5号の場合に当たらないため、上告を棄却する。
実務上の射程
恩赦と刑訴法411条5号の関係を明確にした。大赦は同号に明記されているが、減刑(特に政令による減刑)は「刑の執行」の問題として、既決囚・未決囚問わず判決手続外で処理されるべき事項であることを示唆している。実務上、上告審での救済事由を限定的に解する文脈で参照される。
事件番号: 昭和26(れ)2005 / 裁判年月日: 昭和27年12月26日 / 結論: 棄却
原審で同種の犯行につき有罪判決を受け、ともに上告の申立をし、当審で併合審理を受けた共同被告人の一人が、旧刑訴法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則第一〇条により定めた期間内に上告趣意書を差し出さなかつたときは、他の共同被告人については原判決後に大赦があつたことを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上…
事件番号: 昭和26(あ)2428 / 裁判年月日: 昭和28年2月12日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令の施行により免訴の事由が生じた場合、最高裁判所は職権で原判決を破棄し、当該部分について免訴の判決を言い渡すべきである。また、大赦の対象外となる余罪については、刑法等の規定に従い改めて刑を量定し直す必要がある。 第1 事案の概要:被告人は、連合国軍総司令部(GHQ)の許可なくドル等の外国通貨を…
事件番号: 昭和23(れ)1570 / 裁判年月日: 昭和24年3月3日 / 結論: 棄却
新刑訴第四一一條は、その明文上明らかなように職權事項を規定したもので上告理由を認めたものではない。
事件番号: 昭和25(あ)2349 / 裁判年月日: 昭和26年6月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由に該当せず、判決に刑罰の量定が著しく不当な誤りがあるとしても、同法411条を適用すべき特段の事情がない限り、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人が、下級審の量刑を不服として最高裁判所に上告を提起した。弁護人は上告趣意書において、原判決…