原審で同種の犯行につき有罪判決を受け、ともに上告の申立をし、当審で併合審理を受けた共同被告人の一人が、旧刑訴法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則第一〇条により定めた期間内に上告趣意書を差し出さなかつたときは、他の共同被告人については原判決後に大赦があつたことを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上告趣意書を差し出さなかつた共同被告人に対しては原判決を破棄すべきでない。
上告を申し立てた共同被告人につきともに原判決後大赦があつた場合と上告趣意書を差し出さなかつた共同被告人の一人に対する裁判
刑訴施行法2条,刑訴施行法3条の2,刑訴施行法13条,刑訴法411条5号,旧刑訴法法律の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則10条,旧刑訴法427条,旧刑訴法451条,昭和27年法令117号大赦令1条83号,昭和27年法令117号大赦令1条117号
判旨
共同被告人の一人の判決破棄の理由が他の共同被告人にも共通する場合でも、旧刑事訴訟法451条(現行刑事訴訟法401条に相当)に基づき当然に判決を破棄し免訴を言い渡すべきとは限らない。
問題の所在(論点)
共同被告人の一人が大赦により免訴となる場合、その破棄理由は他の共同被告人にも「共通」するものとして、旧刑訴法451条(現行401条)に基づき、上訴していない、あるいは別の上告理由に基づき審理されている共同被告人の判決も破棄すべきか。
規範
上訴裁判所が被告人のために原判決を破棄する場合において、破棄の理由が共同被告人に共通するときは、共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない(旧刑訴法451条、現行401条)。しかし、本件の法廷意見は上告を棄却しており、大赦による免訴事由の発生が直ちに同条の適用により他者の判決破棄を導くものではないと判断している。
重要事実
事件番号: 昭和26(あ)2465 / 裁判年月日: 昭和28年1月23日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合には、当該部分について免訴を言い渡すべきであり、大赦の対象外の罪数については、適法な法令の適用に基づき併合罪として処断すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、法定の除外事由がないにもかかわらず、連合国占領軍の物資(ドル表示軍票以外のもの)を所持したとして、…
被告人Aおよび共同被告人Bは、昭和22年政令第165号違反等の罪で起訴され、併合審理を受けた。上告審において、共同被告人Bについては大赦令(昭和27年政令第117号)により免訴の言い渡しがなされた。被告人Aについても、同一の法令違反の事実が大赦の対象となっていたが、最高裁判所第二小法廷の多数意見はAの上告を棄却した。
あてはめ
本件の多数意見は具体的な理由を付さずに上告を棄却している。少数意見(藤田・谷村裁判官)によれば、Bに対する大赦という破棄理由はAにも共通するため、旧刑訴法451条を適用し、Aに対しても職権で原判決を破棄して免訴を言い渡すべきであると主張された。しかし、多数意見はこの論理を採用せず、Aに対する上告棄却の結論を維持した。これは、免訴事由の発生が必ずしも同条にいう「破棄の理由が共同被告人に共通するとき」として当然に他者の救済を義務付けるものではない、あるいは手続的制約があることを示唆している。
結論
被告人Aの上告を棄却し、共同被告人への波及効果を認めなかった。
実務上の射程
刑事訴訟法401条の「共通の理由」による破棄の射程に関わる。大赦のような客観的な免訴事由であっても、裁判所が当然に他の被告人のために判決を破棄するわけではないという消極的な先例として位置づけられる。
事件番号: 昭和26(あ)2428 / 裁判年月日: 昭和28年2月12日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令の施行により免訴の事由が生じた場合、最高裁判所は職権で原判決を破棄し、当該部分について免訴の判決を言い渡すべきである。また、大赦の対象外となる余罪については、刑法等の規定に従い改めて刑を量定し直す必要がある。 第1 事案の概要:被告人は、連合国軍総司令部(GHQ)の許可なくドル等の外国通貨を…
事件番号: 昭和27(あ)1511 / 裁判年月日: 昭和28年2月17日 / 結論: 棄却
所論減刑令は刑の執行に関する規定であつて、同四一一条五号の場合にあたらない。
事件番号: 昭和25(あ)1580 / 裁判年月日: 昭和26年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑訴法405条の上告理由に当たらない主張や、同411条を適用すべき職権調査の必要性が認められない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が各上告趣意を申し立てたが、原審判決の維持が争われた事案である。具体的な犯罪事実については本決定の文面からは不明である。 第2 問題の所在(…
事件番号: 昭和25(あ)1105 / 裁判年月日: 昭和26年6月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、刑訴法405条の上告理由に該当しないとして上告を棄却した。具体的な判断理由は示されていないが、職権調査によっても同法411条の破棄事由は認められないとしている。 第1 事案の概要:被告人が原判決(具体的な罪状や事実関係は本判決文からは不明)に対して上告を申し立てた。弁護人は上告趣意書を提…