判旨
刑法256条(盗品等関与罪)に規定されている法定刑は、憲法36条が禁止する「残虐な刑罰」には該当しない。
問題の所在(論点)
刑法256条(盗品等関与罪)に定められた刑罰が、憲法36条で禁止される「残虐な刑罰」に該当するか。
規範
憲法36条にいう「残虐な刑罰」とは、刑罰の性質またはその量が、人道上の見地からして著しく過酷なものを指す。刑法が定める各罪の法定刑の範囲は、立法府の裁量に委ねられており、その内容が社会通念上明らかに不相当と認められるような例外的な場合を除き、同条に違反するものではない。
重要事実
被告人は刑法256条所定の盗品等関与罪(旧:贓物罪)に問われ、有罪判決を受けた。これに対し、弁護側は、同条が定める刑罰の内容が重すぎるとして、憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」に該当し違憲である旨を主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所大法廷判決(昭和23年6月23日)の趣旨に照らせば、刑法256条の法定刑が「残虐な刑罰」に該当しないことは明らかである。盗品等関与罪は、財産罪の本質を害し、二次的に本犯を助長する性質を有しており、その責任に応じた刑罰を科すことは立法政策として不合理とはいえない。したがって、本件で適用された刑法256条の刑は、人道上著しく過酷なものとは評価されない。
結論
刑法256条所定の刑は憲法36条に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
刑事法における法定刑の合憲性に関する標準的な判断枠組みとして機能する。本判決自体は簡潔であるが、刑法各条文の重罰化が争われる際、憲法36条違反の主張を退けるための先例として引用される射程を持つ。
事件番号: 昭和23(れ)1502 / 裁判年月日: 昭和24年3月29日 / 結論: 棄却
憲法に残虐な刑というのは刑罰そのものの種類又は處刑の方法を指すのであるから原判決が老齡の被告人を八月の懲役に處したことを以て所論のように憲法の右の規定に違反するものということはできない、老齡のために刑の執行が不當と認められる場合には刑事訴訟法(舊刑訴法第五四六條第二號新刑訴法第四八二條第二號)に救濟の途が開かれている。