判旨
盗品等寄蔵罪と盗品等運搬罪の関係につき、各行為が全然別個独立の犯意の発現に基づくものである場合には、併合罪(刑法45条前段)が成立する。
問題の所在(論点)
盗品等の寄蔵(刑法256条2項)とその後の運搬(同項)が、同一の犯意に基づく包括一罪となるか、あるいは別個独立の犯意に基づく併合罪となるか。
規範
同一の盗品等に関し、寄蔵行為と運搬行為が行われた場合であっても、それらが全然別個独立の犯意の発現に基づくものであるときは、個別の犯罪を構成し、併合罪として処理される。
重要事実
被告人が盗品等の寄蔵および運搬を行った事案において、原判決は、寄蔵行為と運搬行為が全然別個独立の犯意の発現に基づくものであると認定した。これに対し弁護人は、事実関係の誤認や法令違反等を理由に上告を申し立てた。
あてはめ
原判決の認定によれば、本件における寄蔵と運搬は、全然別個独立の犯意の発現に基づくものである。このような場合、行為の態様が異なるのみならず、各行為に独立した犯罪性が認められる。したがって、一連の行為を包括して一罪と評価することはできず、各罪が独立して成立すると解される。
結論
被告人の行為は、全然別個独立の犯意に基づくものであるから、併合罪として処断した原判決に法令違反はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
盗品等関与罪における罪数判断の基準を示す。一般に盗品等の保管から運搬へ移行する場合、時間的・場所的・主観的密接性があれば包括一罪や不可罰的事後行為が検討されるが、本判例は「犯意の独立性」が認められる場合には併合罪となることを明示している。答案上は、犯意の連続性の有無を具体的事実から検討する際の指針となる。
事件番号: 昭和26(れ)2432 / 裁判年月日: 昭和27年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】盗品を買い受ける目的で、当該盗品を自ら運搬した行為について、盗品等運搬罪(刑法256条2項)の成立を認めた原判決を維持した。 第1 事案の概要:被告人Aは、被告人Bから盗品を買い受けるために、当該盗品を自ら運搬した。弁護人は、買受けの手段として行われた運搬は独立した運搬罪を構成しない旨を主張して上…
事件番号: 昭和23(れ)1599 / 裁判年月日: 昭和27年11月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】数種の罪が包括一罪となるためには、各行為が同種の行為であり、かつ単一の犯意が継続していることが必要である。窃盗、臓物運搬、収受、故買および物価統制令違反といった異種の犯罪行為を、一つの継続した犯意に基づくものとして一罪にまとめることはできない。 第1 事案の概要:被告人は、窃盗、賍物(盗品)の運搬…