判旨
裁判官を「判事」と表示することは、同時にその者が裁判官であることを示すものであり、訴訟法上の違法はない。
問題の所在(論点)
裁判官を「判事」と表示することが、裁判官が裁判を行うべきとする刑事訴訟法等の規定に反し、訴訟手続き上の違法(刑訴法405条、411条等)となるか。
規範
裁判官の官職名である「判事」という呼称を用いることは、その者が裁判官であることを示すものとして有効であり、適法な裁判所の構成を欠くものではない。
重要事実
被告人の弁護人が、判決書等において裁判官を「判事」と表示した点について、憲法違反および訴訟法違反(裁判官以外の者が裁判に関与した疑い等)を理由に上告を申し立てた事案。
あてはめ
判決書等において「判事」と表示された者は、すべて裁判官である。この表示は、単に官職名を示すにとどまらず、同時にその者が裁判官たる地位にあることを示すものである。したがって、判事と表示したことをもって、裁判官以外の者が裁判に関与したと解することはできず、訴訟法上の違否は認められない。
結論
裁判官を「判事」と表示することに訴訟法上の違反はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
裁判所の構成の適法性に関する極めて形式的な論点である。実務上、「判事」は裁判官の官名であり、判決書の表示として当然に許容されることを確認したものである。答案上は、裁判所の構成の適法性が争われる際の前提知識として機能する。
事件番号: 昭和26(あ)377 / 裁判年月日: 昭和26年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官とは裁判の職務を行う官吏の総称であり、「判事」はすべて「裁判官」に含まれる。したがって、裁判書や公判調書において「判事」と表示することは、当該裁判官が適法に関与したことを示すものとして正当である。 第1 事案の概要:被告人が提起した上告において、原審(控訴審)の第一回および第二回公判調書に「…