凡そ営利の目的をもつて継続反覆して一定の物品の販売をなす者であれば、これを販売業者にあたると解すべきであり、その者が他に主たる営業を有すると否とは何等影響を来さないことについては昭和二六年(れ)七四二号、同年九月一一日第三小法廷判決、判例集五巻一〇号一九〇九頁以下の示すとおりである。
薬事法第四四条第八号にいわゆる「販売業を営むこと」の意義
薬事法29条,薬事法44条8号
判旨
営利の目的を持って継続反復して一定の物品の販売をなす者は、他に主たる営業を有するか否かにかかわらず、「販売業者」に該当する。
問題の所在(論点)
経済統制法規等の処罰規定における「販売業者」の意義、および他に主たる営業を有する場合にその該当性が否定されるか。
規範
「販売業者」とは、営利の目的をもって、継続反復の意思に基づき、一定の物品の販売を業として行う者を指す。その者が当該販売行為を主たる営業として行っているか、あるいは他に主たる職業や営業を有しているかは、販売業者としての該当性を左右するものではない。
重要事実
被告人が、営利の目的をもって特定の物品を継続反復して販売していた事案において、被告人が他に主たる営業(職業)を有していたことから、当該物品の「販売業者」に該当するか否かが争点となった。
あてはめ
本件において、被告人は営利の目的をもって継続反復して物品の販売を行っている。主文および理由によれば、このような態様で販売を行う以上、客観的に販売を業としているといえる。他に主たる営業があるとしても、それによって当該販売行為の営利性や継続反復性が失われるわけではなく、実質的に販売業務に従事していると評価される。
結論
被告人は「販売業者」にあたる。したがって、他に主たる営業があることを理由に販売業者性を否定する上告趣意は理由がない。
実務上の射程
行政法規や経済刑法における「業者」概念の解釈に共通する基準を示す。兼業や副業であっても、営利目的と継続反復性という客観的態様を備えれば「業者」としての法的規制や罰則の対象となることを明確にしており、実務上、営業の主従を問わず規制の網を及ぼす際の論拠として有用である。
事件番号: 昭和27(あ)3492 / 裁判年月日: 昭和28年10月16日 / 結論: 棄却
自白を補強すべき証拠は必ずしも自白にかかる一個の犯罪事実の全部にわたつてもれなくこれを裏付けるものでなくても自白にかかる事実の真実性を保障しうるものであれば足りることは当裁判所のくりかえし判例とするところである。本件の場合原判決挙示の自白以外の証拠によれば被告人の自白にかかる本件犯罪事実全部が架空なものでないことが充分…
事件番号: 昭和26(れ)2495 / 裁判年月日: 昭和27年8月29日 / 結論: その他
たとえ医薬品の販売行為は一回であつても、それが業としてなされたものと認められる場合は、旧薬事法二三条一項に違反するものというべきである。