本件「ビバ・ナチユラル」は、その成分、形状、名称、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、特に、販売に際し「高血圧、動脈硬化、肝臓疾患に非常に効果がある」旨記載したポスターや右各疾患、症状に対する薬理作用を示す「治験例集計紙」を添付するなどしてその医薬品的効能効果を演述宣伝していた事実などを総合すると、薬事法二条一項二号の医薬品に当たる。
薬事法二条一項二号の医薬品に当たるとされた事例
薬事法2条1項2号,薬事法24条1項,薬事法(昭和54年法律56号による改正前のもの)84条5号
判旨
薬事法(現:薬機法)上の「医薬品」に該当するか否かは、成分のみならず、物の形状、外観、名称、表示された効能効果、販売の際の演述宣伝等を総合して判断すべきである。
問題の所在(論点)
薬事法(現:薬機法)2条1項2号にいう「医薬品」の意義。特に、成分そのものに薬理作用がない場合であっても、販売態様等によって「医薬品」への該当性を肯定できるか。
規範
ある物が「医薬品」(薬機法2条1項2号)に該当するか否かは、客観的な成分のみならず、その形状、外観、名称、表示された使用目的・効能効果・用法用量、さらに販売方法や販売の際の演述宣伝等の諸要素を総合して、その物が「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」と認められるかによって判断する。
重要事実
被告人らは、「ビバ・ナチュラル」と称する物を販売した。当該商品は、販売に際して「高血圧、動脈硬化、肝臓疾患に非常に効果がある」旨を記載したポスターを掲示し、さらにこれらの疾患に対する薬理作用を示す「治験例集計紙」を添付するなど、医薬品的効能効果を積極的に演述・宣伝して販売されていた。被告人らは、当該商品が医薬品に該当しないとして、無許可販売を禁ずる同法違反の罪の成立を争った。
あてはめ
本件商品「ビバ・ナチュラル」についてみると、その成分自体だけでなく、名称や形状も考慮すべきである。特に、販売時に「高血圧、動脈硬化、肝臓疾患に非常に効果がある」と記載したポスターを用い、具体的な疾患に対する薬理作用を示す「治験例集計紙」を添付していた事実は、当該商品が疾病の治療・予防を目的とした物であることを外形的に示している。このような演述宣伝等の販売方法を総合すれば、本件商品は一般消費者の認識において医薬品としての目的性を有するものといえる。したがって、その成分の如何に関わらず、同号の医薬品に該当すると解される。
結論
本件商品は医薬品に該当し、これを許可なく販売した行為について同法違反の罪が成立する。
実務上の射程
行政規制上の「医薬品」の定義について、外観や宣伝内容による「目的物」概念を確定させた重要判例である。答案上では、いわゆる健康食品が医薬品として規制されるか否かの判断において、成分の有無に限定せず、販売時の表示や説明といった「主観的意図の客観化された諸事情」を総合考慮する際の規範として活用する。
事件番号: 平成8(あ)797 / 裁判年月日: 平成11年3月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】「明治ネオカルシウム」等の製品が、販売の際の演述・宣伝等の外形的客観的事態を総合して薬事法上の医薬品に該当すると判断し、同法違反の罪の成立を認めることは、憲法21条1項に違反しない。 第1 事案の概要:被告会社の代表者が、「明治ネオカルシウム」等の製品を販売する際、演述や宣伝等を行っていた。原判決…