判旨
盗品関与罪の成立には、客体が賍物(不法に領得された財物)であることの認識が必要であるが、第一審判決が証拠に基づきその旨を判示している以上、判例違反等の上告理由は認められない。
問題の所在(論点)
盗品等関与罪の成立において、目的物が賍物であることの判示が必要か、および第一審判決においてその要件が充足されているか。
規範
刑法上の盗品等関与罪(256条)が成立するためには、行為の対象となる目的物が、窃盗等の財産罪によって不法に領得された「賍物」であることを要する。また、主観的要件として、当該目的物が賍物であることの認識が必要である。
重要事実
被告人が盗品等関与罪に問われた事案において、第一審判決が事実摘示および証拠によって、本件犯罪の目的物が賍物であることを判示した。これに対し、弁護人が判例違反を理由に上告を申し立てたものである。
あてはめ
第一審判決の事実摘示および挙示の証拠を検討すると、本件犯罪の目的物が賍物であることは明示的に判示されていると認められる。したがって、目的物が賍物であることの認識や客体性の判断に欠けるところはないため、弁護人の主張は前提を欠くものといえる。
結論
本件犯罪の目的物が賍物であることは判示されており、刑訴法405条の上告理由には当たらないため、上告を棄却する。
実務上の射程
盗品関与罪における客体の「賍物性」の認定が必須であることを再確認する趣旨で用いられる。実務上は、事実認定のレベルで賍物性の判示が漏れていないかをチェックする際の根拠となる。
事件番号: 昭和26(れ)636 / 裁判年月日: 昭和26年7月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本犯が誰であるかを具体的に特定していなくても、目的物が賍物(盗品等)であり、かつそれについて牙保(斡旋)した事実が認められるならば、盗品等牙保罪が成立する。 第1 事案の概要:被告人は、本件綿布が盗品等(賍物)であることを知りながら、その売買の媒介(牙保)を行ったとして盗品等牙保罪に問われた。弁護…