判旨
正当な理由なく他人の建造物に侵入する行為は、刑法130条前段の建造物侵入罪を構成し、これに同条を適用することは憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
正当な理由のない建造物への侵入行為に対し、刑法130条を適用して処断することが憲法に違反するか、および建造物侵入罪の成否。
規範
刑法130条前段の建造物侵入罪は、正当な事由なく他人の建造物に侵入することを要件とする。
重要事実
被告人等は、正当な事由がないにもかかわらず、判示の建造物に侵入した。被告人等は本件行為について憲法違反を主張して上告した。
あてはめ
確定した事実によれば、被告人等は正当の事由なく判示建造物に侵入したことが明白である。かかる事実関係のもとでは、当該所為に対して刑法130条を適用して処断することは正当であり、違憲の主張は前提を欠くものと解される。
結論
被告人等の行為には刑法130条が正当に適用され、建造物侵入罪が成立する。原判決に違憲の違法は認められない。
実務上の射程
本判決は、建造物侵入罪の構成要件(正当な理由のない侵入)を満たす場合に同条を適用することが憲法上も適法であることを簡潔に示したものである。答案上は、管理者の意思に反する立ち入りが「侵入」に該当し、かつ違法性阻却事由等の「正当な事由」がない場合に本罪が成立することを確認する際の基礎的な論理として活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)6235 / 裁判年月日: 昭和29年7月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】労働組合員らによる建造物侵入行為について、解雇の有効性等を争う背景があったとしても、その行為自体が不当なものであれば憲法28条等に基づく正当な行為とは認められず、建造物侵入罪が成立する。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cらは、Bに対する解雇の効力等を争う過程で、建物管理者の意思に反して建造物に侵…
事件番号: 昭和27(あ)2037 / 裁判年月日: 昭和28年2月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】建造物侵入罪(刑法130条前段)の成否について、特定の政治的・社会的な事情があっても、当該行為を正当化することはできず、違法性が阻却されないことを示した。 第1 事案の概要:被告人らは、特定の政治的または社会的な目的(詳細は判決文からは不明)に基づき、本件建造物への侵入行為に及んだ。被告人側は、上…