判旨
共犯者の公判供述の証拠能力について、第一審公判廷における供述内容が公判調書によって明らかな場合には、これを証拠として採用することが認められる。
問題の所在(論点)
共犯者(相被告人)が第一審公判廷で行った供述を、被告人に対する有罪の証拠として採用することの可否、およびその要件が問題となる。
規範
被告人と共同被告人の関係にある者(共犯者等)が、その被告人の第一審公判廷において供述を行った場合、当該供述の内容が記載された公判調書は、特段の事情がない限り、被告人に対する証拠として用いることができる。
重要事実
被告人の本犯とされる相被告人Aが、第一審公判廷において第一審判決に摘示されたような内容の供述を行った。弁護人は、原判決の判断していない事項について違憲違法を主張し、上告した。しかし、第一審公判調書の記載によれば、相被告人Aが当該供述をした事実は極めて明らかであった。
あてはめ
本件では、本犯である相被告人Aが第一審の公判廷において供述を行っている。この事実は公判調書の記載(記録150丁裏、171丁等)により明白に確認できる。このように、公判廷において直接なされた供述が調書化され、その存在が確実である場合には、証拠としての適格性を欠くとはいえない。したがって、弁護人の主張はその前提を欠くものと解される。
結論
相被告人の公判供述を証拠として採用した判断に違憲違法はなく、本件上告は棄却される。
実務上の射程
実務上、共犯者の公判供述の証拠能力を認める根拠として引用される。被告人自身の公判廷でなされた共犯者の供述については、伝聞法則の例外(刑訴法321条1項2号等)を介さずとも、反対尋問の機会が保障されている限り、証拠能力が肯定される傾向にあることを示唆するものである。
事件番号: 昭和25(あ)2565 / 裁判年月日: 昭和26年9月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共犯者の供述であっても、被告人本人の公判廷における自白を補強する証拠となり得る。また、被告人自らが盗品であることを認識していた旨を公判廷で供述している場合、他の証拠と総合して有罪を認定することは適法である。 第1 事案の概要:被告人が盗品等関与罪(具体的な罪名は判決文からは不明だが、盗品であること…