未完成の家具を他の製造場に移出しようとする場合に、製造者である被告人が物品税の支払を免れんがためには、物品税法第一二条の規定に依り政府の承認を得ることを要し、承認を得ないで移出するときは物品税納付の義務があるものと解するのが相当である。
物品税法一二条による政府の承認なくして未完成の家具を移転する場合は物品税納付の義務があるか
物品税法12条
判旨
未完成の家具を他の製造場に移出する場合であっても、物品税の支払を免れるためには、物品税法上の政府の承認を要する。承認を得ないで移出した場合には、未完成品であっても物品税の納付義務が生じる。
問題の所在(論点)
未完成の物品を他の製造場へ移出する際、政府の承認を得ていない場合に、物品税の納付義務が発生するか。また、その法的根拠条文の解釈が問題となる。
規範
製造者が製造場から物品を移出する場合、原則として物品税の納付義務が生じる。ただし、未完成の物品を他の製造場に移出し、かつ物品税の支払を免れようとする場合には、物品税法の規定(当時の法12条)に基づく政府の承認を得ることを要し、この承認がない限りは納税義務を免れない。
重要事実
被告人は、製造した未完成の家具を他の製造場に移出しようとした。被告人は物品税の支払を免れる意図を有していたが、当時の物品税法12条が規定する政府の承認を得ていなかった。原審は、物品の集荷等を想定した同法11条を根拠としたが、被告人に納税義務があるとの結論を導いた。
あてはめ
被告人は未完成の家具を移出しているが、その目的は物品税の支払を免れることにあった。このような場合、法12条に基づき政府の承認を得ることが必要不可欠である。本件において被告人は当該承認を得ていないため、物品の完成度にかかわらず、移出に伴う物品税の納付義務を免れることはできない。原判決が法11条を適用した点は適切ではないが、承認のない移出に納税義務を認めた結論は正当である。
結論
未完成品の移出であっても、政府の承認がない限り物品税の納付義務は発生する。被告人の納税義務を認めた原判決の結論は維持される。
実務上の射程
租税法における「移出」の概念と免税要件の厳格な解釈を示す。手続的要件(政府の承認)を欠く場合には、実体的に免税対象となり得る状況(未完成品の移動)であっても、納税義務が成立するという形式的・画一的な判断枠組みを提示しており、実務上の手続遵守の重要性を裏付ける。
事件番号: 昭和31(あ)1501 / 裁判年月日: 昭和33年8月12日 / 結論: 棄却
パチンコ機械の物品税額は、現行法上現実に移出販売した価格の一二〇分の一〇〇に相当する価格に、一〇〇分の二〇を乗じた価額である。