判旨
判決書に記載すべき検察官の氏名は、当該事件の審理または判決言渡しのいずれかに関与した検察官の氏名であれば、法的に必要十分である。
問題の所在(論点)
判決書に記載すべき検察官の官氏名は、審理と判決言渡しの両方に関与した者でなければならないか、あるいはいずれか一方に関与した者であれば足りるか。
規範
判決書に記載すべき検察官の官氏名は、公判手続において審理に関与した検察官、または判決の言渡しに関与した検察官のいずれかであれば足りる(刑事訴訟法、刑事訴訟規則の解釈)。
重要事実
被告人らは、粕取焼酎の製造等に関連する刑事事件において有罪判決を受け、上告した。上告趣意の中で、判決書に記載された検察官の氏名が適切でない旨の法令違反、ないしは憲法違反等が主張されたが、当該記載が審理または言渡しに関与した者のいずれかであったかという事実関係が争点となった。
あてはめ
最高裁判所は、昭和24年(れ)第519号判決を引用し、判決書における検察官の記載要件について判断を示した。本件において、判決書に記載された検察官が、審理または判決言渡しの少なくとも一方に関与している実態がある以上、その記載は適法なものと認められ、上告趣意が主張するような法令違反は認められない。
結論
判決書には、審理または判決言渡しのいずれかに関与した検察官の氏名を記載すれば足り、本件各上告は棄却される。
実務上の射程
判決書の必要的記載事項としての検察官の氏名について、審理・言渡しの関与があれば足りることを明示した。実務上、公判担当検察官が交代した場合でも、そのいずれかが記載されていれば形式的瑕疵にはならないことを示す判断材料となる。
事件番号: 昭和23(れ)1658 / 裁判年月日: 昭和24年3月29日 / 結論: 棄却
一 すべて裁判官は憲法及び法律にのみ拘束されることは憲法第七六條第三項の規定するところであり、從つて、下級裁判所の裁判官といえども訴訟事件の審判に當つて憲法適否の判斷をすることができることは當裁判所の判例とするところである。(昭和二二年(れ)第三四二號同二三年一二月八日大法廷判決) 二 上告申立人は法定の期間内に上告趣…
事件番号: 昭和24(れ)2772 / 裁判年月日: 昭和25年3月28日 / 結論: 棄却
論旨は、刑罰法令が犯罪に對する制裁として懲役刑と罰金刑とを選擇的に科すべきことを定めた場合において、裁判所が當該事件の被告人に對して懲役刑を選擇して科するときにはその理由を明らかにしなければならないというのであるが、舊刑訴法第三六〇條その他の規定によるもかゝる理由を付しなければならないと解すべき法的根據はないのであるか…
事件番号: 昭和26(れ)2434 / 裁判年月日: 昭和29年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法38条3項の「その被告人に不利益な唯一の証拠」に該当するか否かは、証拠全体を総合して事実認定がなされているかによって判断され、自白以外に事実を裏付ける補強証拠が存在する場合には、自白のみによる有罪判決とはならない。 第1 事案の概要:被告人Bは、第一審および控訴審において有罪判決を受けた。弁護…
事件番号: 昭和23(れ)1196 / 裁判年月日: 昭和24年4月30日 / 結論: 破棄差戻
豫審判示代理判事の被告人Aに對する訊問調書は、強制處分請求書の内容を引用しているけれども同請求書は更に司法警察官の意見書が引用されて居つて具体的には犯罪事實の記載はないのであるから、右訊問調書を罪證に供するためには、右訊問調書と共に右強制處分請求書も及び前記司法警察官の意見書を證據調しなければならない。
事件番号: 昭和26(れ)1497 / 裁判年月日: 昭和26年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公訴事実と裁判所が認定した事実との間に、共犯の有無、犯罪の態様、物体の数量等に多少の相違があっても、客観的出来事としての同一性を失わない限り、訴因変更等の手続を経ずとも事実認定を行うことが可能である。また、複数の販売行為を包括一罪として処理することは適法であり、併合罪として処断すべきとの主張は被告…