判旨
刑事訴訟法293条2項(被告人・弁護人の意見陳述)の規定は、控訴審においては準用されない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法293条2項の規定が、同法404条等を通じて控訴審の手続に準用されるか。また、準用されないとする運用が被告人の防御権等の観点から違憲といえるか。
規範
刑事訴訟法293条2項(証拠調終了後における被告人及び弁護人の意見陳述権)の規定は、控訴審の審理手続においては準用されないものと解するのが相当である。
重要事実
被告人が控訴審の審理において、刑事訴訟法293条2項に基づき意見を陳述する機会を求めた。しかし、原審(控訴審)は同規定の準用を認めず、被告人側に意見陳述の機会を与えないまま判決を言い渡した。これに対し、被告人側は当該手続が違法であり、かつ憲法違反であるとして上告した。
あてはめ
判例(昭和25年10月12日第一小法廷決定)の趣旨に照らせば、刑事訴訟法293条2項は控訴審に準用されない。したがって、原審が同条に基づく意見陳述を認めなかったとしても、手続上の違法は存在しない。また、違法が存在しない以上、それを前提とする憲法違反の主張もその前提を欠くものである。さらに、鑑定申請の不採用等の訴訟指揮についても、判例の趣旨に照らし、憲法違反には当たらない。
結論
刑事訴訟法293条2項は控訴審に準用されないため、原判決に同条違反の違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
控訴審における被告人の最終陳述権の有無を確認する際に参照される。第一審と異なり、控訴審は事後審的性格を有することから、手続の準用範囲が限定的であることを示す基本的な判例である。
事件番号: 昭和26(あ)2986 / 裁判年月日: 昭和26年11月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、被告人の上告について、刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、かつ同法411条を適用して判決を破棄すべき事由も認められないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が原判決(第2審判決)を不服として最高裁判所に上告した事案。弁護人が提出した上告趣意書に基づき、上告理由の…
事件番号: 昭和25(あ)2121 / 裁判年月日: 昭和26年3月27日 / 結論: 棄却
所論の点はいずれも、原審において控訴趣意として主張されなかつた事項であり、また刑訴第三九二条二項は同条項所定の事由に関し控訴審に職権調査の義務を課したものではないから、原判決はこれらの点についてなんら判断を示していないのである。従つてこのような事項につき、単純に原判決の法令違反を主張することはもちろん、これを判例違反と…