地方税法二四条の五第一項三号、二九五条一項三号にいう老年者の「所得の金額」を算定するに当たつて当該老年者の受給した公的年金等の収入金額から租税特別措置法(昭和五四年法律第一五号による改正前のもの)二九条の三所定の老年者年金特別控除額を控除すべきではない。
地方税法二四条の五第一項三号、二九五条一項三号にいう老年者の「所得の金額」の算定に当たつて租税特別措置法(昭和五四年法律第一五号による改正前のもの)二九条の三所定の老年者年金特別控除額を控除することの可否
地方税法24条の5第1項3号,地方税法295条1項3号,租税特別措置法(昭和54年法律第15号による改正前のもの)29条の3
判旨
地方税法上の非課税要件である老年者の「所得の金額」の算定において、租税特別措置法上の老年者年金特別控除額を控除することは認められない。
問題の所在(論点)
地方税法24条の5第1項3号(道府民税の非課税)及び295条1項3号(市町村民税の非課税)にいう老年者の「所得の金額」を算定する際、租税特別措置法所定の特別控除額を控除できるか。また、控除を認めない解釈が租税法律主義に反するか。
規範
地方税法24条の5第1項3号及び295条1項3号に規定される「所得の金額」の算定にあたっては、特段の規定がない限り、収入金額から必要経費等を差し引いた額を指すものと解すべきであり、政策的な税額軽減措置である租税特別措置法上の特別控除額を当然に差し引くことは許されない。
重要事実
老年者である上告人が、市町村民税等の非課税対象に該当するか否かの判定において、受給した公的年金等の収入金額から、当時の租税特別措置法29条の3に定められた「老年者年金特別控除額」を控除して「所得の金額」を算出することを主張して争った事案。
あてはめ
地方税法上の所得概念は、基本的に総収入金額から必要経費を控除したものを指す。租税特別措置法による特別控除は、特定の政策目的のために所得税法等の計算過程で認められる特例であり、地方税法の非課税枠を判定する基準となる「所得の金額」そのものを構成する要素ではない。したがって、同控除を適用せずに所得を算定することは、法文の解釈として正当であり、租税法律主義(憲法84条)が要求する法的安定性や予測可能性を害するものとはいえない。
結論
老年者の「所得の金額」の算定において、租税特別措置法上の老年者年金特別控除額を控除すべきではなく、この解釈は租税法律主義に反しない。
実務上の射程
租税法における「所得」の概念が、各法規(地方税法、所得税法、租税特別措置法)の目的ごとに峻別されるべきことを示している。答案作成上は、非課税要件の解釈において、他法の特例措置を当然に準用できないことの根拠として利用できる。
事件番号: 平成24(行ヒ)368 / 裁判年月日: 平成27年5月26日 / 結論: 破棄自判
個人の道府県民税及び市町村民税の所得割に係る賦課決定の期間制限につき,その特例を定める地方税法(平成25年法律第3号による改正前のもの)17条の6第3項3号にいう所得税に係る不服申立て又は訴えについての決定,裁決又は判決があった場合とは,当該不服申立て又は訴えについてその対象となる所得税の課税標準に異動を生じさせ,その…
事件番号: 平成6(行ツ)215 / 裁判年月日: 平成7年4月28日 / 結論: 棄却
納税者が、三箇年にわたり、株式等の売買による多額の雑所得を申告すべきことを熟知しながら、確定的な脱税の意思に基づき、顧問税理士の質問に対して右所得のあることを否定し、同税理士に過少な申告を記載した確定申告書を作成させてこれを提出したなど判示の事実関係の下においては、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在しない…
事件番号: 昭和61(行ツ)7 / 裁判年月日: 平成元年3月28日 / 結論: 棄却
租税特別措置法(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)三五条一項にいう「当該家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたもの」の譲渡は、当該家屋を所有者として居住の用に供していた者のする譲渡であることを要する。 (反対意見がある。)