土地区画整理法一〇三条の規定に基づく換地処分について被処分者がする審査請求の請求期間の起算日は、同人が換地処分の通知を受けてその処分があつたことを知つた日の翌日である。
土地区画整理法一〇三条の規定に基づく換地処分についての審査請求の請求期間の起算日
土地区画整理法103条,土地区画整理法104条,行政不服審査法14条1項
判旨
土地区画整理法に基づく換地処分に対する審査請求の起算日は、換地処分の公告日ではなく、被処分者が通知を受けて処分を知った日の翌日である。
問題の所在(論点)
土地区画整理法上の換地処分に対する審査請求期間の起算日について、同法103条4項の公告日を基準とすべきか、それとも被処分者が個別の通知を受け処分を知った日を基準とすべきかが問題となった。
規範
行政不服審査法(旧法14条1項)における審査請求期間の起算点である「処分があったことを知った日」とは、処分につき処分の通知を受ける等して、現実にこれを知った日を指す。土地区画整理法103条に基づく換地処分においても、公告による画一的な処理を優先させるべき特段の事情がない限り、被処分者に対する個別の通知をもって「処分を知った日」と解するのが相当である。
重要事実
土地区画整理法103条に基づき行われた換地処分に対し、被処分者が審査請求を提起した。同法103条4項は換地処分があった旨の公告を規定しているが、本件の被処分者は当該公告日よりも後に処分の通知を受けていた。審査請求が適法な期間内になされたか否かに関し、起算日を「公告日の翌日」とするか「通知を受けて処分を知った日の翌日」とするかが争われた。
事件番号: 昭和31(オ)141 / 裁判年月日: 昭和35年9月15日 / 結論: 棄却
旧特別都市計画法に基く県知事の換地予定地指定処分のより違法に権利を害されたとするものの訴願を提起することは許されず、行政事件訴訟特例法第五条に従い、直接裁判所に出訴することのみが許される。
あてはめ
換地処分は特定の土地権利者に対してなされる個別的な行政処分である。土地区画整理法103条1項は施行者が関係権利者に換地処分を通知すべき旨を定めており、被処分者が処分の内容を具体的に知るのはこの通知によるものである。したがって、不服申立ての機会を保障する観点からは、公告という形式的な基準ではなく、被処分者が通知により現実に処分を知った日を基準とすべきである。本件においても、公告日ではなく通知受領日の翌日を起算日と解するのが、行政不服審査法の原則に合致する。
結論
換地処分に対する審査請求期間の起算日は、被処分者が換地処分の通知を受けてその処分があったことを知った日の翌日である。
実務上の射程
公告が効力発生要件となっている処分であっても、個別の通知が予定されている場合には、不服申立期間の起算点は「知った日(知るべき状態に置かれた日)」として個別通知を基準に判断すべきであることを示した。対世的効力を有する処分一般に直ちに適用できるわけではないが、個別通知を伴う換地処分においては本判例が確立した基準となる。
事件番号: 昭和55(行ツ)88 / 裁判年月日: 昭和60年11月29日 / 結論: 破棄自判
一 土地区画整理事業の遂行上仮換地を指定する必要がある場合において、仮換地上に存する使用収益の障害となる物件の除去の時期を確定することができず、仮換地の使用収益開始の時期について目途がたたないときは、土地区画整理法九九条二項の規定に基づき使用収益開始の日を追つて定める旨通知して仮換地の指定をしても違法とはいえない。 二…
事件番号: 昭和31(オ)806 / 裁判年月日: 昭和32年12月26日 / 結論: 棄却
特別都市計画法にいよる換地予定地指定の取消を求める訴は、本換地のなされるまで何時でも提起できる合のではなく、行政事件訴訟特例法第五条の制約を受けるものと解すべきである。