特別都市計画法にいよる換地予定地指定の取消を求める訴は、本換地のなされるまで何時でも提起できる合のではなく、行政事件訴訟特例法第五条の制約を受けるものと解すべきである。
特別都市計画法による換地予定地指定の取消を求める訴の出訴期間
特別都市計画法13条,行政事件訴訟特例法5条
判旨
土地区画整理における換地予定地の指定は、将来の換地処分の前提となる段階的処分ではあるが、それ自体が独立した行政処分としての性質を有し、固有の法律効果を発生させる。したがって、その取消訴訟の提起については、換地処分を待つことなく、指定処分としての出訴期間の制限を受ける。
問題の所在(論点)
土地区画整理事業における換地予定地の指定が、独立した行政処分(処分性)を有するか。また、その取消訴訟において、将来の換地処分を待たずに出訴期間の制限が適用されるか。
規範
換地予定地の指定は、本換地処分の前提をなす経過的・段階的処分という側面を有する一方で、他方において独立した一つの行政処分であって、それ自体固有の法律効果を有するものと解される。したがって、当該処分の取消しを求める訴訟については、独立の処分として行政事件訴訟法(旧行政事件訴訟特例法)所定の出訴期間による制約を受ける。
重要事実
特別都市計画法に基づく土地区画整理事業において、行政庁により換地予定地の指定がなされた。上告人は、当該指定処分の取消しを求めて出訴したが、その提起時期が問題となった。一審および原審は、換地処分が完了する前であっても換地予定地の指定は独立した行政処分であり、出訴期間の制限を受けるとして上告を棄却したため、上告人が最高裁に判断を求めた。
事件番号: 昭和32(オ)328 / 裁判年月日: 昭和33年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地区画整理事業における換地予定地の指定処分について、従前の土地と比較して位置や利用価値等が著しく劣等でなく、かつ特定の者に不利益を強いるものでない限り、当該処分は適法である。 第1 事案の概要:上告人は、土地区画整理事業に伴う換地予定地の指定処分を受けたが、当該換地予定地が従前の土地と比較して位…
あてはめ
本件における換地予定地の指定は、最終的な換地処分に至るまでの一過程ではある。しかし、指定によって権利者には当該土地の使用収益権が付与されるなどの直接的な権利義務の変化が生じるため、独立の行政処分といえる。一度独立の処分として認められる以上、訴訟の安定性を図る観点から設けられた出訴期間の制約を免れることはできない。本換地処分がなされるまでいつでも争えるとする上告人の主張は、行政処分の効力を早期に確定させる出訴期間制度の趣旨に反する。
結論
換地予定地の指定は独立した行政処分であり、その取消訴訟には出訴期間の制限が適用される。したがって、期間経過後の訴えは不適法として棄却される。
実務上の射程
行政行為の段階的プロセスにおける処分性を肯定した重要判例である。答案上は、最終的な効果(換地処分)が発生する前であっても、中間的な行為が国民の権利義務に直接影響を与える場合には、独立の処分として早期の権利救済を認めるべきであるとする「処分性」の議論、およびそれに伴う「出訴期間」の起算点・制限の議論において引用すべきである。
事件番号: 昭和33(オ)952 / 裁判年月日: 昭和36年11月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地区画整理事業の承継において、承継後の施行者が既になされた換地予定地の指定を前提に修正を加えることは適法であり、また、個別の地上建物の利用価値減少等の事情は減歩率の決定を左右しない。 第1 事案の概要:鳥取市が都市計画事業として施行していた旧駅前土地区画整理事業において、昭和16年に上告人所有地…
事件番号: 昭和32(オ)920 / 裁判年月日: 昭和35年2月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地区画整理事業において、仮換地の指定変更を行うことは、使用収益関係の特定や事業の円滑な進行という公益上の必要性に基づくものであれば、私益の制限が受忍限度を超えない限り行政権の濫用には当たらない。同一人に対する仮換地を必ずしも一箇所にまとめる必要はなく、変更前後で実質的な不利益に差がない場合は適法…
事件番号: 昭和31(オ)141 / 裁判年月日: 昭和35年9月15日 / 結論: 棄却
旧特別都市計画法に基く県知事の換地予定地指定処分のより違法に権利を害されたとするものの訴願を提起することは許されず、行政事件訴訟特例法第五条に従い、直接裁判所に出訴することのみが許される。