旧特別都市計画法に基く県知事の換地予定地指定処分のより違法に権利を害されたとするものの訴願を提起することは許されず、行政事件訴訟特例法第五条に従い、直接裁判所に出訴することのみが許される。
旧特別都市計画法に基く県知事の換地予定値指定処分により違法に権利を害されたとするものの出訴と訴願経由の要否。
旧特別都市計画法(昭和21年法律19号)26条,都市計画法25条,都市計画法26条,行政事件訴訟特例法5条
判旨
行政事件訴訟特例法5条1項に基づく出訴期間の制限において、主観的期間(処分を知った日から6ヶ月)を徒過した場合には、客観的期間(処分の日から1年)の経過前であっても、後者の但書にある「正当の理由」の有無を考慮する余地はない。
問題の所在(論点)
行政事件訴訟特例法5条1項に定める主観的出訴期間(処分を知った日から6ヶ月)を徒過した場合に、同条3項但書の「正当の理由」による救済を検討し、出訴を適法とする余地があるか。
規範
行政処分に対する取消訴訟等の出訴期間につき、処分を知った日から起算する短期間(主観的期間)を徒過した場合には、処分の日から起算する長期間(客観的期間)が経過する前であっても、当該訴えは不適法となる。客観的期間の徒過に関わる「正当の理由」の有無という救済規定は、主観的期間の徒過には適用されない。
重要事実
上告人らは、被上告人(行政庁)による違法な処分によって権利を毀損されたとして、その取消し等を求めて出訴した。上告人らが当該処分のあったことを知った日は昭和27年8月11日であったが、本訴を提起したのは昭和28年6月11日であった。これは、処分のあったことを知った日から6ヶ月を経過しているが、処分の日からは1年を経過する以前の提訴であった。
事件番号: 昭和31(オ)806 / 裁判年月日: 昭和32年12月26日 / 結論: 棄却
特別都市計画法にいよる換地予定地指定の取消を求める訴は、本換地のなされるまで何時でも提起できる合のではなく、行政事件訴訟特例法第五条の制約を受けるものと解すべきである。
あてはめ
上告人らは、昭和27年8月11日に処分を知りながら、提訴したのは昭和28年6月11日であり、同法5条1項の定める6ヶ月の期間を明らかに経過している。上告人らは、期間徒過について「正当の理由」があると主張するが、同法5条3項但書が定める「正当の理由」は、処分の日から1年という客観的期間の徒過に関する規定である。本件は処分の日から1年を経過する以前に出訴されたものであるから、主観的期間を徒過した以上、同項但書の正当の事由を云々する余地はない。
結論
本件訴えは出訴期間を徒過しており不適法である。したがって、原審が訴えを却下した判断に違法はない。
実務上の射程
現行の行政事件訴訟法14条の解釈においても同様の論理が適用される。主観的期間(知った日から6ヶ月)と客観的期間(処分の日から1年)は独立した要件であり、主観的期間を徒過した場合には、客観的期間の但書(正当な理由)を援用して救済を受けることはできないという実務上の鉄則を示すものである。
事件番号: 昭和28(オ)1347 / 裁判年月日: 昭和30年8月2日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】行政処分に対する不服申立期間を徒過してなされた不適法な申立てに対し、却下裁決がなされた場合には、訴願前置主義の下ではもはや原処分の当否を争う取消訴訟を提起することはできない。 第1 事案の概要:本件買収計画が昭和23年9月2日に定められ、同月3日から12日まで縦覧に供された。上告人がこれに対し異議…
事件番号: 昭和25(オ)287 / 裁判年月日: 昭和26年10月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に対する取消訴訟において、出訴期間の規定は公法上の法律関係を早期に確定させるための強行規定であり、処分の実体的な違法性の有無や行政庁による訴訟提起の要請にかかわらず適用される。 第1 事案の概要:上告人は、自作農創設特別措置法に基づく農地買収処分について、病者が不在地主にならない保障に反す…