庭園等に使用する各種花木を幼木から栽培している土地であつても、肥培管理が施されている場合には、農地法二条一項にいう農地にあたらないとはいえない。
庭園等に使用する各種花木を幼木から栽培している土地が農地法二条一項にいう農地にあたらないとはいえないとされた事例
農地法2条1項
判旨
農地法2条1項にいう「農地」とは耕作の目的に供される土地を指し、その該当性は土地に肥培管理が施されているか否かによって客観的に判断される。庭園用花木の幼木からの栽培であっても、施肥や薬剤散布等の作業を伴うのであれば農地に該当し得る。
問題の所在(論点)
庭園用花木を幼木から栽培している土地が、農地法2条1項にいう「農地」(耕作の目的に供される土地)に該当するか。
規範
農地法2条1項にいう「農地」とは、「耕作の目的に供される土地」を指す。具体的にある土地が農地に該当するか否かは、当該土地において、人が作物(花木等を含む)の生育を助けるために、整地、播種、施肥、薬剤散布、除草等のいわゆる「肥培管理」を継続的に施しているかという客観的な事実状態によって決定される。
重要事実
上告人(賃借人)は、前所有者Dから本件土地を賃借し、その引渡を受けて以降、庭園等に使用する各種花木を幼木から栽培し、肥培管理を行っていた。その後、被上告人(新所有者)が競落により所有権を取得したが、上告人の賃借権は登記されていなかった。上告人は、本件土地が農地法上の農地に当たり、同法18条等の適用により賃借権を対抗できると主張して、賃借権の確認を求めた。原審は、花木の栽培は肥培管理とはいえず農地には当たらないとして、主張自体失当と判断した。
あてはめ
農地の判断基準は肥培管理の有無にあるところ、庭園用の花木を幼木から栽培する行為には、通常、施肥、薬剤散布、除草等の作業が伴う。これらは作物の生育を管理する「肥培管理」に他ならない。したがって、上告人が主張するように本件土地において花木の幼木栽培のためにこれらの作業を行っているのであれば、その土地は「耕作の目的に供される土地」として農地法上の農地に該当すると認められる余地がある。原審がこれを直ちに否定したのは、農地の解釈を誤り審理を尽くさなかったものといえる。
結論
庭園用花木の栽培であっても肥培管理が施されている限り農地に該当し得る。本件土地が農地である可能性を否定した原判決には法令解釈の誤りと審理不尽の違法があるため、破棄・差し戻しを免れない。
実務上の射程
農地法の対抗要件(農地の引渡しによる対抗力)等が争点となる事案において、土地の現況が一般的な田畑でない場合でも、栽培対象を問わず「肥培管理」の有無をメルクマールとして農地該当性を肯定する論理として活用できる。
事件番号: 昭和27(オ)575 / 裁判年月日: 昭和29年5月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】賃貸借または転貸借に基づき農地を適法に占有耕作している事実に加え、行政処分である買収処分が正規の手続を経てなされた場合には、当該処分は有効であり、不法占拠等の瑕疵は認められない。 第1 事案の概要:上告人は、被上告人(Bを除く)らが判示農地を占有耕作していることに関し、農地買収処分の無効等を主張し…
事件番号: 昭和38(オ)1065 / 裁判年月日: 昭和40年8月2日 / 結論: 棄却
一 地主所有の果樹が生立する果樹園であつても、自作農創設特別措置法による農地買収の対象となる。 二 自作農創設特別措置法第三条第五項第二号によるいわゆる仮装自作地の買収については、同条第一項第二号、第三号所定の買収面積の制限を受けない。