農地法一九条は地上権に適用又は準用されない。
地上権と農地法一九条の適用又は準用の有無
農地法19条
判旨
農地法19条(現18条)の農地賃貸借の解約制限に関する規定は、農地法全体の構造や地上権と賃借権の性質・存続期間の相違に鑑み、地上権には適用または準用されない。
問題の所在(論点)
農地法19条(現18条)に定める農地賃貸借の解約制限・更新拒絶の制限に関する規定を、農地の上に設定された地上権に対して適用または準用することができるか。
規範
農地法19条(現18条)の適用範囲について、同法が賃借権の保護を主眼としていることや、物権である地上権と債権である賃借権との法的性質の差異、および存続期間に関する法規制の違いを考慮し、同条の規定を地上権に対して適用・準用することは認められない。
重要事実
上告人は、農地上に設定された地上権について、農地法19条(耕作目的の賃貸借の解約制限等)の規定が適用または準用されるべきであると主張して争った。原審は、地上権には同条の適用がないと判断したため、上告人がこれを不服として上告した事案である。
あてはめ
事件番号: 昭和38(オ)481 / 裁判年月日: 昭和39年9月17日 / 結論: 棄却
農業協同組合員であるからといつて、組合と第三者との間の土地売買の無効を主張し該土地が依然組合の所有に属することの確認を求める利益があるとはいえない。
農地法19条は、その文言上「賃貸借」を対象としており、物権である地上権を明示的には含んでいない。農地法の構造を検討すると、特に賃借権という弱い権利の保護を通じて農地の利用関係の安定を図る趣旨が見て取れる。これに対し、地上権はそれ自体が物権として強い対抗力を持ち、存続期間の定めも賃借権とは異なる法理(民法等の規定)に支配されている。したがって、賃借権の保護を目的とした解約制限規定を、性質の異なる地上権にまで拡張して適用すべき合理的根拠は存在しないと解される。
結論
農地法19条(現18条)は地上権に適用または準用されない。したがって、地上権の消滅に関し同条に基づく制限を受けることはない。
実務上の射程
農地法上の権利保護の対象が、文言通り賃貸借(債権)に限定されることを確認した判例である。答案上では、農地法18条(旧19条)の解釈において、物権的利用権である地上権にはその射程が及ばないことを論証する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和37(オ)671 / 裁判年月日: 昭和38年10月18日 / 結論: 棄却
原審において主張なく認定のない事実をもつて原判決の確認の利益に関する判断を非難することは、上告理由として採用できない。
事件番号: 昭和28(オ)601 / 裁判年月日: 昭和29年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した本件上告について、上告理由として主張された内容が、民事上告審判特例法1号から3号(憲法違反、憲法解釈の誤り、判例相反等)のい…
事件番号: 昭和37(オ)218 / 裁判年月日: 昭和38年5月10日 / 結論: 棄却
農地賃貸借解除の意思表示は、裁判上なされる場合でも、知事の許可を受けていない以上、農地法第二〇条により無効と解する。