公職選挙法二〇五条一項にいわゆる選挙無効の要件としての「選挙の規定に違反するとき」とは、主として選挙管理の任にある機関による違反をいうものである。
公職選挙法二〇五条一項にいう「選挙の規定に違反するとき」の意義
公職選挙法205条1項
判旨
公職選挙法205条1項の「選挙の規定に違反するとき」とは、主として選挙管理の任にある機関による違反を指す。
問題の所在(論点)
公職選挙法205条1項にいう「選挙の規定に違反するとき」に、選挙管理機関以外の者による違反が含まれるか、あるいは主として選挙管理機関による違反に限定されるか。
規範
公職選挙法205条1項に基づき選挙の無効を請求できる要件である「選挙の規定に違反するとき」とは、主として選挙管理の任にある機関による違反をいうものと解すべきである。
重要事実
上告人が、選挙における何らかの規定違反を理由に選挙無効の訴えを提起した事案。原審は、当該違反が選挙管理の任にある機関によるものではないとして請求を退けたが、上告人はこれを不服として、同条項の解釈をめぐり最高裁へ上告した。
あてはめ
事件番号: 昭和42(行ツ)20 / 裁判年月日: 昭和42年4月15日 / 結論: 棄却
選挙人、候補者、選挙運動者等の選挙の取締りないし罰則違反の行為は、公職選挙法第二〇五条第一項にいう選挙の規定違反にあたらないものと解するのが相当である。
本件における具体的な事案の詳細は判決文からは不明であるが、最高裁は従来の判例(最一小判昭27.12.4等)を維持し、同条項の「規定に違反するとき」の主格を限定的に解した。原審の判断がこの規範に沿っている以上、上告人の独自の解釈に基づく主張は採用できない。
結論
本件上告は棄却される。公職選挙法205条1項の規定違反は、主として選挙管理機関によるものに限られるため、原判決に違法はない。
実務上の射程
選挙無効訴訟において、候補者の公選法違反(買収等)を理由とする場合は205条の対象外となり、当選無効訴訟(251条等)によるべきことを示唆する。行政側の手続的瑕疵を争う場面で用いるべき規範である。
事件番号: 昭和30(オ)919 / 裁判年月日: 昭和31年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法205条1項に基づく選挙無効の原因は、原則として選挙の管理執行に関する規定の違反を指し、個々の選挙人による違法行為は直ちにこれに含まれない。 第1 事案の概要:判決文からは詳細な事案(特定の選挙の種類や具体的な違反行為の内容)は不明であるが、選挙人による個々の規定違反が行われた場合に、そ…
事件番号: 昭和36(オ)200 / 裁判年月日: 昭和36年4月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】選挙事務従事者による不正行為や開票録表示数の不真正は、それが選挙の管理執行に関する規定違反にあたり、選挙の結果に影響を及ぼす蓋然性がある場合には、公職選挙法205条1項に基づき選挙を無効とする理由になり得る。 第1 事案の概要:本件選挙において、投票所及び開票所の選挙事務従事者が不正行為を行った。…