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新聞記者の証言拒絶を理由ありとした決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告がその実質は原決定の単なる法令違背を主張するものにすぎず不適法であるとして却下された事例
憲法21条,民訴法281条1項3号
判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限定される。民事事件においては、実質的に単なる法令違背を主張するにすぎない抗告は、民訴法(当時)419条の2所定の抗告に当たらない。
問題の所在(論点)
形式的に憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違背の主張である場合、最高裁判所に対する抗告(民訴法旧419条の2、現行336条相当)として適法か。
規範
最高裁判所が抗告について裁判権を行使できるのは、訴訟法において特別に最高裁判所への抗告が認められている場合に限られる。民事訴訟においては、憲法違反を主張の形式としていても、その実質が単なる法令違背の主張にすぎない場合は、特別抗告の要件を満たさない。
重要事実
抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。抗告理由は形式的に「違憲」を主張するものであったが、その具体的内容を検討すると、原決定における法令の解釈・適用の誤り(法令違背)を指摘するものに留まっていた。
事件番号: 昭和25(ク)109 / 裁判年月日: 昭和26年2月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては特別抗告(民訴法336条、旧419条の2)のみがこれに該当する。したがって、最高裁判所に対する抗告理由は、原決定における憲法適合性の判断の不当性を主張するものに限られる。 第1 事案の概要:抗告人が最高…
あてはめ
最高裁判所の裁判権は、法が限定的に認めた場合にのみ及ぶところ、本件抗告理由は「違憲」を標榜している。しかし、その実質は原決定の単なる法令違背を主張するものである。これは、民訴法(旧法419条の2)が予定する、最高裁判所が判断すべき適法な抗告理由には該当しないと評価される。
結論
本件抗告は不適法であり、却下されるべきである。
実務上の射程
特別抗告(現行民訴法336条1項)の適法性判断において、不服申立ての理由が単なる法令違背を違憲と強弁するものである場合、判例は門前払い(却下)する姿勢を明確にしている。答案上は、特別抗告の要件を厳格に解する根拠として利用できる。
事件番号: 昭和25(ク)42 / 裁判年月日: 昭和25年6月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかの判断を不当とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を指摘するものではなかった。…
事件番号: 昭和35(ク)36 / 裁判年月日: 昭和35年2月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法が特別に認めた場合に限られ、旧民訴法419条の2(現行337条)の特別抗告の要件を満たさないものは不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、下級審の判断に対し最高裁判所へ抗告を申し立てた。抗告人はその理由として憲法違反を主張していたが、その…
事件番号: 昭和26(ク)67 / 裁判年月日: 昭和26年5月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に定めた場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行の特別抗告に相当)に規定される憲法違反の判断が含まれる場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告理由は、原決定にお…
事件番号: 昭和52(ク)249 / 裁判年月日: 昭和52年12月1日 / 結論: 却下
民訴法三九条は除斥又は忌避についての裁判機関を定めたものであるから、裁判官が憲法七六条三項所定の良心に従つた裁判をすることとはなんら関係がない。