土地が被告の所有でない旨の消極的確認の訴は、隣接地を所有する原告が、これを道路として使用することが右土地について所有権を主張する被告によつて妨げられており、かつ、被告が右土地を時効取得することを防止するため必要があると主張するだけでは、確認の利益があるとはいえない。
被告に所有権がないことの確認の訴につき確認の利益がないとされた事例
民訴法225条
判旨
自己の所有権を主張することなく、他者が目的物について所有権を有しないことの確認を求める消極的確認の訴えは、特段の事情がない限り、確認の利益を欠き不適法である。
問題の所在(論点)
自己の権利を主張せず、単に相手方の所有権が存しないことの確認を求める訴え(消極的確認の訴え)について、確認の利益が認められるか。
規範
確認の訴えが適法であるためには、確認の利益(原告の法的地位に現存する不安・危険があり、確認判決を得ることがその解決に有効・適切であること)が必要である。特に他人の権利の不存在を求める消極的確認の訴えにおいては、自己の権利関係を確定することで紛争が解決できる場合には、あえて他人の権利の不存在を求める必要性は乏しく、確認の利益は否定される傾向にある。
重要事実
上告人(原告)は、被上告人(被告)に対し、本件土地について被上告人が所有権を有しないことの確認を求める訴え(消極的確認の訴え)を予備的請求として提起した。上告人は、自身が当該土地につきどのような権利を有するかについては具体的に特定して主張・立証せず、単に相手方の所有権の不存在のみを争った事案である。
あてはめ
本件において、上告人は本件土地につき自己が所有権等の何らかの権利を有することを前提とせず、単に被上告人の所有権の不存在のみを求めている。このような消極的確認の訴えは、たとえ認容判決を得たとしても、上告人自身の法的地位が確定するものではなく、紛争の抜本的な解決に資する有効適切な手段とはいえない。したがって、本件のような状況下では、上告人の法的地位に現存する不安を解消するために被上告人の所有権不存在を確認する必要性は認められない。
結論
上告人による消極的確認の請求は、確認の利益を欠き不適法である。
実務上の射程
消極的確認の訴えにおける確認の利益の判断基準を示すものである。実務上、所有権の存否が争われる場合、原則として自己の所有権確認(積極的確認)を求めるべきであり、特段の事情がない限り、相手方の所有権不存在のみを求めることは不適法とされる。答案作成においては、確認の利益の「方法の適切性」の検討材料として活用すべき判例である。
事件番号: 昭和24(オ)262 / 裁判年月日: 昭和26年8月24日 / 結論: 棄却
一 かつては畑として耕作された土地が、昭和三年春に耕作が廃止されて原野となり、その後引き続き十数年間耕作されず荒廃していた場合において、昭和一九年春に至り附近居住者十数名が所有者には無断で休閑地利用の菜園として耕作を始めたが、所有者から明渡の請求を受け同年秋耕作物の収獲後明け渡してしまい、右土地が再び休閑地となり、昭和…