幅員が八・六メートルで、そのうち片側の路肩部分の幅員一・四メートルが未舗装であるほかは全部舗装されていて、道路構造令の適用を受けるとすれば同令上三種四級道路にあたるとされる県道について、右道路が国道の補完道路としての機能を果たすもので、夜間の交通量は少なく、事故多発地点にもあたらないうえ、終日駐車禁止、車両の速度制限毎時四〇キロメートルとの規制がざれているなど原判決判示のような事情がある場合においては、歩道と車道とが分離されず、また、歩行者が通行している右路肩部分が降雨時ぬかるうえ、夜間の照明が十分でなくとも、道路の設置又は管理に瑕疵があるとはいえない。
歩道と車道とが分離されずまた歩行者が通行している路肩部分が未舗装で降雨時にぬかるうえ夜間の照明が十分でない道路であつてもその設置又は管理に瑕疵がないとされた事例
国家賠償法2条1項
判旨
道路の設置または管理に瑕疵があったといえるためには、当該道路が通常有すべき安全性を欠いている必要があるが、本件では事故発生との相当因果関係も含め否定された。
問題の所在(論点)
国家賠償法2条1項に基づく公の営造物の設置・管理の瑕疵の有無、および当該瑕疵と事故発生との間の相当因果関係の存否が問題となった。
規範
国家賠償法2条1項の「設置又は管理に瑕疵」があるとは、営造物がその種類・目的に応じて通常有すべき安全性を欠いている状態をいう。また、当該瑕疵と発生した損害との間には相当因果関係が必要とされる。
重要事実
本件道路において事故が発生し、被害者側(上告人)が道路の設置・管理の瑕疵を主張して損害賠償を求めた事案であるが、具体的な事故態様や道路の欠陥の内容については、本判決文の記載からは不明である(原審の認定を是認する形式をとっているため)。
あてはめ
原審が認定した事実関係に照らせば、本件道路には客観的に見て通常有すべき安全性が欠けていたとは認められず、設置または管理の瑕疵は存在しない。また、仮に道路状況に何らかの不備があったとしても、本件事故の具体的な発生状況に鑑みれば、道路の状況と事故との間に相当な関連性があるとはいえず、相当因果関係も認められない。
結論
本件道路の設置・管理に瑕疵はなく、事故との相当因果関係も認められないため、国家賠償法2条1項に基づく賠償責任は成立しない。
実務上の射程
営造物責任の成否を検討する際、安全性の欠如(瑕疵)と因果関係の二段構えで判断すべきことを示す。特に因果関係の判断において、道路の客観的状況だけでなく事故の具体的態様を考慮する実務上の指針となる。
事件番号: 昭和42(オ)921 / 裁判年月日: 昭和45年8月20日 / 結論: 棄却
一、国道に面する山地の上方部分が崩壊し、土砂とともに落下した直径約一メートルの岩石が、たまたま該道路を通行していた貨物自動車の運転助手席の上部にあたり、その衝撃により、助手席に乗つていた者が即死した場合において、従来右道路の付近ではしばしば落石や崩土が起き、通行上危険があつたにもかかわらず、道路管理者において、「落石注…