判決の事実摘示欄に証拠関係についての記載を欠いても、上告理由とはならない。
事実摘示欄に証拠関係についての記載を欠く判決と上告理由
民訴法192条,民訴法394条
判旨
民事訴訟において、判決書の事実摘示欄に特定の証拠関係の記載がないとしても、それが直ちに判決の結論に影響を及ぼす違法とはならず、原審の証拠取捨判断や事実認定は原則としてその専権に属する。
問題の所在(論点)
判決書の事実摘示欄に特定の証拠関係が記載されていないことが、判決の結論に影響を及ぼすべき違法(民事訴訟法上の上告理由)にあたるか、また、原審の証拠取捨・事実認定の適法性が問題となった。
規範
1. 判決書における事実摘示の程度は、判決の結論を導くために必要な範囲で足りる。2. 事実の認定及び証拠の取捨選択は、特段の事情がない限り事実解明を主務とする原審の専権に属し、その過程に合理性を欠くなどの違法がない限り上告審はこれを是認する。
重要事実
上告人は、原判決の事実摘示欄に特定の証拠関係についての記載が欠落していること、及び原審の判断に違法があることを理由として上告を申し立てた。しかし、当該証拠関係の不記載が結論にどのような影響を及ぼしたかについては、判決文からは不明である。
あてはめ
原判決の事実摘示欄に所論の証拠関係の記載がなくても、それが判決の結論に影響を及ぼしているとは認められない。また、原審の認定判断は挙示の証拠関係に照らして正当であり、証拠の取捨選択や事実の認定という原審の専権事項について、不合理な点は見当たらないため、違法とはいえない。
結論
本件上告は棄却される。判決書の事実摘示の不備が結論に影響しない限り、また原審の事実認定が専権の範囲内である限り、適法な上告理由にはあたらない。
実務上の射程
答案作成上、判決書の形式的瑕疵(理由不備等)を主張する際のハードルの高さを示す事例として活用できる。事実認定に関する不服は原則として「専権」であることを理由に排斥されるため、論理則・経験則違反等の具体的な違法事由を構成する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和50(オ)444 / 裁判年月日: 昭和50年10月17日 / 結論: 棄却
嫌忌される施設の設置、運営による損失が不法行為に基づき賠償すべき損害にあたるか否かは、被侵害利益ないし権利の性質、程度、施設の社会的有用性、損害の発生を防止、軽減すべき処置をとりうる可能性、施設設置の意図、設置場所等諸般の事情を総合して、社会通念上受忍すべき限度をこえるか否かによつて決められるべきであるところ、本件火葬…