高等裁判所がした決定は、その告知によつて即時に確定する。
高等裁判所のした決定の確定時期
民訴法419条ノ2
判旨
高等裁判所がした忌避申立てを却下する旨の決定は、その告知によって即時に確定する。したがって、当該決定の告知後にされた判決の言渡しは、忌避申立てに係る訴訟手続の停止規定に反せず適法である。
問題の所在(論点)
忌避申立て却下決定の確定時期はいつか。また、高等裁判所による却下決定の告知後、即座に判決を言い渡すことは、忌避申立てによる訴訟手続の停止(民事訴訟法26条)との関係で許されるか。
規範
高等裁判所のした決定は、その性質上、告知によって即時に確定するものと解すべきである。したがって、忌避申立てを却下する決定が告知された後は、当該却下裁判が確定したものとして、停止していた訴訟手続を進行させることができる。
重要事実
上告人らは、担当裁判官に対する忌避申立てを行った。大阪高等裁判所は、この忌避申立てを却下する旨の決定をした。その後、原審(大阪高裁)は、忌避申立てを受けた裁判官が関与する形で本件判決の言渡しを行った。上告人らは、忌避申立て却下の裁判が確定する前に判決が言い渡されたことは、訴訟手続の停止規定(民事訴訟法26条参照)に違反する旨を主張して上告した。
事件番号: 昭和41(マ)104 / 裁判年月日: 昭和44年7月4日 / 結論: 却下
一、上級裁判所の裁判所書記官は、同裁判所において訴訟が完結し、その訴訟記録を他の裁判所に送付する手続を完了した時に、執行文付与の権限を失う。 二、執行文付与拒絶処分に対する異議申立は、その拒絶処分をした裁判所の裁判所書記官が執行文付与の権限を失つた後においては、申立の利益を欠き、不適法として却下を免れない。
あてはめ
本件において、忌避申立てを却下する旨の決定は、大阪高等裁判所によってなされている。高等裁判所の決定は告知によって即時に確定するため、本件却下決定もその告知と同時に確定したといえる。本件判決の言渡しは、記録によれば当該却下決定の告知後に行われている。そうであれば、判決言渡しの時点では既に忌避申立てについての裁判は確定しており、訴訟手続を停止すべき状態は解消されていたと評価できる。
結論
高等裁判所の決定は告知により即時に確定するため、その告知後に行われた判決言渡しは適法であり、上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、高裁が忌避却下決定をした場合、即時に手続を続行できることを明確にしたものである。答案上は、民事訴訟法26条本文の「裁判が確定するまで」の意義を検討する際、高裁決定については告知が確定時となる点に注意して記述する。なお、地裁による却下決定の場合は即時抗告(同法25条3項)が可能であり、執行停止の効力はないが、高裁決定とは確定時期の処理が異なる点に留意が必要である。
事件番号: 昭和26(ク)8 / 裁判年月日: 昭和26年5月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、原決定の憲法適合性に関する判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級裁判所の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由には、原決定において法律、命…
事件番号: 昭和46(ク)311 / 裁判年月日: 昭和46年11月10日 / 結論: 却下
高等裁判所が民訴法三九九条一項一号により却下した決定に対しては、最高裁判所に対して即時抗告をなすことは許されない。
事件番号: 昭和26(ク)183 / 裁判年月日: 昭和26年10月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事訴訟法により特に最高裁判所への抗告が許された場合に限られる。したがって、最高裁判所に対する抗告期間については、民訴法第419条の2に基づき、送達の日から5日以内と解すべきである。 第1 事案の概要:大阪高等裁判所が昭和26年8月18日に下した決定が、…