高等裁判所が民訴法三九九条一項一号により却下した決定に対しては、最高裁判所に対して即時抗告をなすことは許されない。
高等裁判所が民訴法三九九条一項一号により却下した決定に対する即時抗告の許否
民訴法399条,裁判所法7条2号
判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは訴訟法で特に定められた場合に限られ、高等裁判所が上告を却下した決定に対する即時抗告は許されない。
問題の所在(論点)
高等裁判所による上告却下決定に対し、最高裁判所へ即時抗告を申し立てることが可能か、また、違憲を名目とする不服申立てが特別抗告として適法か。
規範
最高裁判所が抗告に対して裁判権を行使できるのは、訴訟法上、特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限定される。民事事件においては、憲法違反等を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2、現行法336条相当)のみがこれに該当する。
重要事実
抗告人は、高等裁判所が旧民訴法399条1項1号に基づき上告を却下した決定に対し、最高裁判所へ即時抗告を申し立てた。抗告人は抗告理由として違憲を主張していた。
あてはめ
事件番号: 昭和34(ク)35 / 裁判年月日: 昭和34年3月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定され、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条等に相当)所定の事由がある場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、自身に対して下された上告棄却の判決を不服として最高裁判所に抗告を申し立てた。しか…
高等裁判所の決定に対する不服申立てとして即時抗告を行うことは、訴訟法上の根拠を欠き許されない。本件申立てを旧民訴法419条の2(特別抗告)の申立てと解釈しても、その実質的な内容は単なる法令違背の主張にすぎず、憲法違反の具体的な指摘を欠いている。したがって、適法な抗告理由があるとは認められない。
結論
本件抗告は不適法であり、却下される。
実務上の射程
最高裁への不服申立て(抗告)が極めて限定的であることを示す。特に、高裁による上告却下決定に対しては特別抗告のみが可能であるが、名目的な違憲主張では足りず、実質的に憲法違反の具体的指摘が必要であることを明示している。
事件番号: 昭和26(ク)106 / 裁判年月日: 昭和26年7月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告理由の内容は、原決定における憲法判断の不当性…
事件番号: 昭和26(ク)8 / 裁判年月日: 昭和26年5月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、原決定の憲法適合性に関する判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級裁判所の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由には、原決定において法律、命…
事件番号: 昭和26(ク)46 / 裁判年月日: 昭和26年6月13日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条1項)に基づく憲法違反を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件記録によれば、抗告人が主張する…
事件番号: 昭和26(ク)23 / 裁判年月日: 昭和26年5月11日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に認める場合に限定され、民事事件においては憲法解釈の不当を理由とする場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。当該抗告の理由は、原決定における憲法適合性の判断を不当とするものではなく、単なる法律違反等を主張するものであった。…