控訴審において当事者参加がなされた場合において、右参加の訴に対し参加被告が反訴を提起するには、参加人の同意を要しない。
控訴審でされた当事者参加に対する参加被告の反訴提起と参加人の同意の要否
民訴法71条,民訴法382条
判旨
控訴審において当事者参加(独立当事者参加)がなされた場合、参加被告が相手方である参加人に対して反訴を提起するには、参加人の同意を要しない。
問題の所在(論点)
控訴審で当事者参加がなされた場合に、参加被告が参加人に対して反訴を提起するにあたり、民事訴訟法上の「相手方の同意」が必要か。控訴審での反訴提起を制限する同法146条1項但書の趣旨と、当事者参加による三面訴訟の性質の調整が問題となる。
規範
独立当事者参加(民事訴訟法47条)がなされた訴訟において、参加被告が参加人に対して反訴(同法146条)を提起する場合、通常の訴訟手続における反訴の要件を満たせば足り、相手方である参加人の同意を得る必要はない。
重要事実
第一審から継続している本案訴訟に対し、控訴審段階で第三者が独立当事者参加(権利主張参加または詐害防止参加)を行った。これに対し、参加被告となった者が、当該参加人を被告として新たに反訴を提起した。この際、参加被告側が参加人の同意を得ずに反訴を提起したことの適法性が争点となった。
事件番号: 昭和34(オ)975 / 裁判年月日: 昭和38年2月21日 / 結論: 棄却
原告の土地明渡請求に対し、被告が第一審において右土地について賃借権を有する旨主張し、同審が右賃借権の存在を肯認した場合に、控訴審において被告が更に反訴として右賃借権存在確認の訴を提起するには、相手方たる原告の同意を要しないものと解するのが相当である。
あてはめ
控訴審における反訴提起に相手方の同意を要するのは、本来は第一審の審級の利益を保護するためである。しかし、独立当事者参加自体が既存の訴訟繋属を利用して三面的な解決を図る制度であり、参加人は自ら進んで控訴審の審級に身を置いている。このような構造下では、参加被告が参加人の請求に関連する反訴を提起しても、参加人に予期せぬ審級の利益の剥奪という不利益は生じない。したがって、参加被告による反訴に同意は不要と解される。
結論
控訴審における独立当事者参加に伴う反訴提起について、相手方たる参加人の同意は不要であり、反訴は適法である。
実務上の射程
控訴審における反訴の制限(審級の利益)の例外を示す判例として重要である。答案上では、独立当事者参加が絡む場面で「審級の利益を放棄して参加した者」に対する反訴の適法性を論じる際の根拠として活用できる。なお、参加「人」から既存の当事者への反訴(または請求の追加)についても同様の法理が妥当し得る。
事件番号: 昭和30(オ)56 / 裁判年月日: 昭和31年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産の不法占有者は、民法177条にいう「第三者」には該当せず、所有者は登記がなくても当該占有者に対して所有権を主張できる。また、換地予定地の特定は、地番の表示がなくても所在位置を図面等により示す方法で足りる。 第1 事案の概要:被上告人が所有権を主張する係争土地(換地予定地)について、上告人らが…
事件番号: 昭和42(オ)890 / 裁判年月日: 昭和43年9月12日 / 結論: 破棄差戻
通常の共同訴訟においては、共同訴訟人間に共通の利害関係があるときでも、補助参加の申出をしないかぎり、当然には補助参加をしたと同一の効果を生ずるものではない。
事件番号: 昭和30(オ)218 / 裁判年月日: 昭和32年9月17日 / 結論: 破棄差戻
民訴第七三条は承継人が自ら進んで既存の訴訟に加入しうることを認めたものであり、また同法第七四条は従来の訴訟当事者が承継人を強制して訴訟に参加せしめうることを認めたものであつて、その承継人は訴訟の目的たる権利または債務のいずれの承継人であるとを問わない。
事件番号: 昭和34(オ)777 / 裁判年月日: 昭和36年6月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】独立当事者参加訴訟(民訴法47条)において、原告、被告、参加人の三当事者間で権利関係を合一に確定する必要がある場合、原告が参加人の請求を認諾したとしても、被告がこれを争っている限り、その認諾は効力を生じない。 第1 事案の概要:原告Bが被告に対して訴えを提起し、さらに参加人が民事訴訟法71条(現4…