通常の共同訴訟においては、共同訴訟人間に共通の利害関係があるときでも、補助参加の申出をしないかぎり、当然には補助参加をしたと同一の効果を生ずるものではない。
利害の共通する共同訴訟人間における補助参加関係の成否
民訴法61条,民訴法64条,民訴法69条
判旨
通常共同訴訟において、一人の訴訟行為が当然に他の共同訴訟人のために効力を生ずることはなく、共同訴訟人間に補助参加と同様の効果を認めるには適法な補助参加の申出が必要である。
問題の所在(論点)
通常の共同訴訟において、共同訴訟人の一人がした主張の効力が、補助参加の申出がない場合であっても、当然に他の共同訴訟人に及ぶか。
規範
通常の共同訴訟(民事訴訟法38条)においては、共同訴訟人の一人のする訴訟行為は他の共同訴訟人のため効力を生じない(共同訴訟人独立の原則、同法39条)。たとえ共同訴訟人間に共通の利害関係が存する場合であっても、一人の主張が他者のために当然に補助参加がされたのと同一の効果を生ずることはなく、そのような効果を認めるには、適法な補助参加の申出(同法42条)がなされることを要する。
重要事実
上告人(地主)が、被上告人B1(旧占有者)に対し、不法占有を理由とする損害賠償を請求した。これに対し、本件の他の共同訴訟人であるB2およびB3は、当該期間中の賃料を支払ったと主張したが、B1自身はその事実を主張していなかった。原審は、共同訴訟人間にいわゆる「共同訴訟人間における補助参加関係」があるとして、B2らの主張の効力をB1にも及ぼし、B1の損害賠償義務を否定した。
事件番号: 昭和39(オ)842 / 裁判年月日: 昭和40年4月2日 / 結論: 棄却
土地の賃借人は、その土地の上に登記した建物を有しないかぎり、右賃借権の存在を知つて土地所有権を取得した第三者に対しても土地賃借権を主張することができない。
あてはめ
通常の共同訴訟において共同訴訟人の一人の行為が他者に及ぶとすれば、いかなる関係がある場合にその効果を認めるかについて明確な基準を欠くことになり、訴訟を混乱させる。本件において、記録上B2およびB3からB1のための補助参加の申出がなされた事実は認められない。したがって、B2らの主張をもって当然にB1のための主張と解することは、共同訴訟人独立の原則に反し、許されない。
結論
B2らの主張の効果を当然にB1に及ぼした原審の判断は失当であり、破棄を免れない。
実務上の射程
通常共同訴訟における独立の原則を厳格に適用した基本判例である。答案上では、共同訴訟人間で主張が異なる場合に、弁論分離の可能性や主張共通の原則の成否(判例は否定)を論ずる際の根拠として用いる。補助参加の申出という手続的要件を重視する実務上の立場を示すものである。
事件番号: 昭和31(オ)814 / 裁判年月日: 昭和32年9月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地所有者が建物所有者とその賃借人に対し明渡しを求める訴訟は必要的共同訴訟ではなく、また使用貸借の期間満了に基づく土地明渡請求は、締結時の諸般の事情に照らし権利の濫用に当たらない。 第1 事案の概要:土地所有者である被上告人は、借主(D会)との間で使用貸借契約を締結し土地を貸し付けた。同土地上には…
事件番号: 昭和41(オ)162 / 裁判年月日: 昭和43年3月15日 / 結論: 棄却
土地の所有者が、その所有権に基づいて、右地上にある建物の所有権を共同相続によつて取得した者らに対し、右建物の収去および土地の明渡を求める訴は、必要的共同訴訟ではないと解すべきである。
事件番号: 昭和44(オ)818 / 裁判年月日: 昭和44年11月21日 / 結論: 棄却
土地の買受人が、地上に自己の親族が賃借人として建物を所有し営業していることを知つて、賃借権付評価額以下の価額で右土地を取得しながら、右賃借権の対抗力の欠如を奇貨として、賃借人の営業上多大な損失を意に介せず、賃借人に対して建物収去土地明渡を請求するときは、該請求は権利の濫用として許されない。