法人税法(昭和四五年法律第三七号による改正前のもの)二条一〇号イないしハに規定する同族会社の要件のいずれかに該当する同族会社の同族判定株主である使用人兼務役員は、すべて同法三五条二項の使用人兼務役員から除外されると解するのが相当である。
いわゆる同族判定株主である使用人兼務役員の範囲
法人税法(昭和45年法律第37号による改正前のもの)2条10号イ,法人税法(昭和45年法律第37号による改正前のもの)2条10号ロ,法人税法(昭和45年法律第37号による改正前のもの)2条10号ハ,法人税法(昭和45年法律第37号による改正前のもの)35条2項,法人税法(昭和45年法律第37号による改正前のもの)35条5項,法人税法施行令(昭和45年政令第106号による改正前のもの)71条4号
判旨
法人税法上の同族会社の要件に該当する同族判定株主である役員は、たとえ使用人の職務に従事していても、一律に使用人兼務役員から除外され、その賞与は損金不算入となる。
問題の所在(論点)
法人税法35条2項および5項において、同族会社の判定の基礎となった株主である役員が使用人の職務を兼ねている場合、これを「使用人兼務役員」として扱い賞与を損金算入できるか。また、役員賞与の損金不算入規定が二重課税として違憲・違法とならないか。
規範
法人税法2条10号イないしハに規定する同族会社の要件のいずれかに該当する同族会社の同族判定株主である使用人兼務役員は、すべて同法35条5項括弧書きおよび同法施行令71条4号により、同法35条2項の使用人兼務役員から除外される。また、法人の支給する役員賞与に関する損金不算入規定は、二重課税を規定したものではない。
重要事実
上告人(法人)は、法人税法上の同族会社に該当していた。当該法人の役員のうち、同族判定の基礎となった株主である者が使用人としての職務を兼務していたため、法人側はその賞与を「使用人兼務役員」への支払として損金算入を認めるべきだと主張した。しかし、税務当局は当該役員が同族判定株主であることから使用人兼務役員には当たらないとして損金不算入の更正処分等を行ったため、その適法性が争われた。
事件番号: 昭和49(行ツ)28 / 裁判年月日: 昭和50年2月25日 / 結論: 棄却
資産の延払条件付譲渡に係る確定決算の経理が、翌事業年度に計上すべき賦払金を係争事業年度の収益に計上した点において、法定の延払基準の方法に従つたものでないときは、右違法な部分のみを除外して延払経理による課税の特例の適用を認めることはできない。
あてはめ
本件における役員は、法人税法2条10号イからハの同族会社要件のうち、少なくとも「ハ」の要件の判定の基礎となった株主である。同法35条5項および施行令71条4号の規定を照らせば、同族判定の基礎となった株主である役員は、その実態にかかわらず法律上「使用人兼務役員」の範囲から一律に除外される。したがって、当該役員に対する賞与は役員賞与として扱われ、損金算入の対象外となる。なお、法人税法における役員賞与の損金不算入規定は、租税政策上の合理性に基づくものであり、二重課税を禁ずる原則に抵触するものではない。
結論
同族判定株主である役員は、法人税法35条2項の使用人兼務役員には当たらない。したがって、当該役員への賞与の損金算入を否定した更正処分は適法である。
実務上の射程
同族会社における役員の給与体系に関する判断基準を示す。文言上、同族判定株主であれば形式的に使用人兼務役員から除外されるという硬直的な適用を認めており、実務上は役員構成と持分比率による形式的判定が優先されることを確認した事例である。
事件番号: 昭和40(行ツ)107 / 裁判年月日: 昭和43年10月17日 / 結論: 棄却
法人が横領行為によつて損害を被つた場合には、その損害額を損金に計上するとともに、これによる損害賠償請求権を益金に計上したうえ、右請求権が債務者の無資力その他の事由によつて実現不能が明白となつたときに至つて、これをその年度の損金とするのが、法人所得の計算上相当である。
事件番号: 令和2(行ヒ)303 / 裁判年月日: 令和4年4月21日 / 結論: 棄却
1 法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同項各号に掲げる法人である同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、法人税の負担を減少させる結果となるものをいう。 2 …
事件番号: 平成20(行ヒ)43 / 裁判年月日: 平成21年12月3日 / 結論: その他
内国法人によりチャネル諸島ガーンジーに設立された子会社が,複数の課税方法のうちから一つを選択することを納税者に許していたガーンジーの法人所得税制の下で,0%超30%以下の範囲で税務当局に申請し承認された税率が適用税率になるとの制度に基づき26%の税率で所得税の賦課決定を受けてこれを納付した場合において,次の1〜5などの…