地積を更正する登記は土地の表示に関する登記であり、これについては不動産登記法六六条・五六条の適用はない。
地積を更正する登記と不動産登記法六六条・五六条の適用
不動産登記法78条,不動産登記法66条,不動産登記法56条
判旨
地積更正登記は土地の表示に関する登記であり権利に関する登記ではないため、登記上の利害関係を有する第三者の承諾を要する規定(不動産登記法旧66条、旧56条)の適用はない。
問題の所在(論点)
地積更正登記を申請する際、不動産登記法上の「登記上の利害関係を有する第三者」の承諾を要するか。また、土地区画整理事業の施行者はそのような第三者に該当するか。
規範
地積更正登記は土地の表示に関する登記であって、権利に関する登記ではない。したがって、同登記の申請にあたり、権利に関する登記の更正・抹消において必要とされる「登記上の利害関係を有する第三者」の承諾(不動産登記法旧66条、旧56条)を要することはない。
重要事実
上告人は、土地区画整理事業の施行者である被上告人が施行する区域内の土地について、実測に基づき地積更正登記をしようとした。被上告人は、当該土地について昭和33年当時の登記簿地積に一定の増加分を加えた地積を従前の土地の地積と定め、これに基づき既に仮換地を指定していた。上告人は、地積更正登記をするにあたり、区画整理事業に影響を及ぼすとして被上告人の承諾が必要であると考え、承諾を求める訴えを提起した。
事件番号: 昭和45(オ)398 / 裁判年月日: 昭和46年1月26日 / 結論: 棄却
相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができない。
あてはめ
地積更正登記の本質は表示に関する登記に留まるため、権利関係の変動を伴うものではない。本件において、被上告人は既に仮換地の指定を完了しており、換地計画における基準地積も独自に定めている。そのため、登記簿上の地積が更正されたとしても、土地区画整理事業の施行という法的地位や事業プロセスに直接の法的影響を及ぼすものではない。したがって、被上告人は承諾を要する利害関係人には当たらないといえる。
結論
地積更正登記に被上告人の承諾は不要であり、上告人の請求は認められない。
実務上の射程
表示に関する登記(地目変更、地積更正等)においては、権利の登記に関する「利害関係人の承諾」の規定が適用されないことを明示した。実務上、登記官の職権または申請により事実合致を図るべき性質のものであり、隣地所有者等の承諾も、手続上の要件ではなく事実認定の資料に過ぎないことを理解する上で重要である。
事件番号: 昭和28(オ)428 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、単なる訴訟手続の違背や事実認定の非難に留まり、法令解釈に関する重要な主張を含まない上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人が原審の訴訟手続に違背がある旨を主張し、あわせて原審の事実認定を非難して上告を申し立てた事案。判決…
事件番号: 昭和33(オ)162 / 裁判年月日: 昭和36年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地台帳附属図面の訂正は、土地所有権に直接影響を及ぼすものではなく、訂正にあたって土地所有者の許可や承諾を必要とする法的根拠はない。 第1 事案の概要:上告人は、本件土地台帳附属の図面の訂正がなされた際、自身の許可または承諾がなかったことを理由に、当該訂正は無効であると主張した。また、この訂正が係…
事件番号: 昭和44(オ)486 / 裁判年月日: 昭和47年7月6日 / 結論: その他
登記簿上後順位の抵当権者またはいわゆる仮登記担保権者であつた者でも、先順位の仮登記担保権者から不動産登記法一〇五条に基づく本登記手続承諾請求を受けた当時、すでに他にその登記につき附記登記による権利移転の登記を経由した者は、特段の事情のない限り、登記原因たる実体上の権利に基づき、仮登記担保権者に対して清算金を受けるべき地…
事件番号: 昭和24(オ)118 / 裁判年月日: 昭和28年6月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】売買契約において、買主が買い受けた土地を学校敷地として無償提供する等の事情は、原則として単なる動機にすぎない。かかる動機が特に当事者間で表示され、法律行為の内容とされたと認められない限り、当該事情の不一致は要素の錯誤に当たらない。 第1 事案の概要:売主である上告人は、第三者D・Eらから「被上告人…