特許法(大正一〇年法律第九六号)四三条五項に基づく特許権の存続期間の延長の出願に対する不許可処分の取消の訴は、右特許権の出願公告の日から二五年を経過したときは、訴の利益を欠くものとして却下すべきである。
特許出願公告の日から二五年を経過した場合における特許法(大正一〇年法律第九六号)四三条五項に基づく特許権の存続期間の延長の出願に対する不許可処分の取消の訴の利益
特許法(大正10年法律第96号)45条5項,特許法施行令(大正10年勅令第460号)1条,行政事件訴訟特例法1条
判旨
行政処分に対する取消しの訴えにおいて、法律上の利益を有しない者が提起した訴えは、訴えの利益を欠くものとして不適法となる。また、法律上の利益を有しない場合に訴えを許さなくても、憲法32条、76条、81条には違反しない。
問題の所在(論点)
行政処分の取消しの訴えにおいて、原告が主張する利益が「法律上の利益」と認められない場合に、訴えの利益を欠くとして却下することは許されるか。また、その制限が憲法32条、76条、81条に違反しないか。
規範
行政事件訴訟法における取消しの訴えの原告適格(または訴えの利益)は、当該処分によって自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者に認められる。単なる事実上の利益を有するにすぎない者は、法律上の利益を有するとはいえず、訴えの利益を欠く。
重要事実
本件は、ある行政処分に対して原告(上告人)がその取消しを求めて提訴した事案である。原審は、原告が主張する利益は「法律上の利益」とは言い難いとして、本案判決をすることなく、訴えの利益を欠くものと判断した。これに対し、原告が、このような制限は裁判を受ける権利等を保障する憲法に違反するとして上告したものである。
事件番号: 昭和59(行ツ)286 / 裁判年月日: 昭和61年4月25日 / 結論: 破棄自判
特許法四八条の三第一項所定の出願審査請求の期間につき民訴法一五九条一項の規定を準用ないし類推適用する余地はない。
あてはめ
判決文からは具体的な事実関係の詳細は不明であるが、最高裁は原審の確定した事実および関係法令に照らし、原告が主張する利益は法律上の利益に当たらないと判断した。法律上の利益がない以上、訴訟を継続して本案判決を求める正当な利益が認められない。また、憲法32条(裁判を受ける権利)等は、あらゆる不利益に対して訴訟を認めることを強制するものではなく、法律上の利益がない場合に訴えを認めないことは憲法の趣旨に反しない。
結論
本件訴えは訴えの利益を欠くため不適法であり、原告の上告を棄却する。
実務上の射程
取消訴訟における「法律上の利益」の必要性を再確認し、それが欠ける場合の却下判決が合憲であることを示した射程の広い判例である。答案上は、原告適格(行訴法9条1項)や訴えの利益の有無を論じる際の前提として、憲法上の権利との整合性を補強する文脈で使用できる。
事件番号: 昭和57(行ツ)27 / 裁判年月日: 昭和59年4月24日 / 結論: 破棄自判
一 実用新案登録に関する訂正審判の係属中に当該実用新案登録を無効にする審決が確定した場合には、訂正審判の請求は不適法となる。 二 実用新案登録に関する訂正審判の請求につき請求が成り立たない旨の審決の取消訴訟の係属中に当該実用新案登録を無効にする審決が確定した場合には、取消訴訟の訴えの利益は失われる。