民訴法七一条に基づく参加があつた訴訟において、原告の請求について判断を欠く判決は違法であつて破棄を免れず、この瑕疵は、訴訟要件に準じ、職権をもつて調査すべきである。
民訴法七一条に基づく参加のあつた訴訟において原告の請求について判断を欠く判決の適法性
民訴法71条
判旨
独立当事者参加訴訟において、一当事者が控訴を取り下げた場合であっても、他の当事者が控訴した以上、全請求が当然に控訴審の審判対象となり、裁判所は同一判決により全ての請求に対し判断を下さなければならない。
問題の所在(論点)
独立当事者参加訴訟(民訴法47条)において、一当事者が控訴を取り下げた場合、その者の請求は控訴審の審判対象から外れるのか。または合一確定の要請により当然に審判対象となるのか。
規範
民事訴訟法47条(旧71条)に基づく独立当事者参加訴訟は、三面的な紛争を一挙に矛盾なく解決することを目的とする合一確定の要請が強い訴訟形態である。そのため、判決は三当事者を名宛人とする一個の終局判決のみが許され、一部の者に関する判決や追加判決は許されない。この趣旨から、一部の当事者による控訴の提起があったときは、他の当事者の控訴取下げの有無にかかわらず、全当事者間の請求が当然に控訴審の審判対象となる。
重要事実
原告が被告らに対し土地所有権に基づく登記抹消を求め、参加人が原告および被告らを相手に同土地の所有権確認等を求めて独立当事者参加をした事案。第一審は原告および参加人の請求をいずれも棄却し被告らが勝訴した。原告と参加人はそれぞれ控訴したが、後に原告が控訴を取り下げた。控訴審は、参加人の請求についてのみ判断し、控訴を取り下げた原告の請求については審判対象外であるとして判断を加えなかった。
事件番号: 昭和58(オ)749 / 裁判年月日: 昭和60年3月15日 / 結論: その他
民訴法七一条に基づく当事者参加の申立があつた場合でも、原告は、被告及び参加人の同意を得て、訴えを取り下げることができる。
あてはめ
独立当事者参加訴訟は三者の紛争を一つの手続で解決する形態であり、一部の当事者についてのみ判決を確定させることは制度の趣旨に反する。本件において、参加人が控訴を申し立てた以上、三当事者間の三個の請求は不可分に一体として控訴審に移行する。したがって、原告が控訴を取り下げた事実があったとしても、原審はこれに関わりなく、原告の被告らに対する請求についても同一判決で判断すべきであったといえる。原告の請求を審判対象から除外した原判決には、民訴法47条の解釈適用の誤りがある。
結論
控訴審は原告の控訴取下げにかかわらず、原告の請求についても判断すべきである。原告の請求を審判対象外とした原判決を破棄し、差し戻す。
実務上の射程
独立当事者参加(権利主張参加・詐害防止参加)における上訴の不可分性を肯定する重要判例。答案では「47条の趣旨である三面紛争の一挙解決と合一確定」を根拠に、一部の上訴や取下げがあっても審判対象が全請求に及ぶことを論じる際に使用する。なお、本判決は職権調査事項(訴訟要件に準ずるもの)として扱っている点も実務上重要である。
事件番号: 昭和42(オ)535 / 裁判年月日: 昭和46年10月7日 / 結論: 棄却
一、一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。 二、一個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき所有権移転登…
事件番号: 昭和36(オ)201 / 裁判年月日: 昭和40年5月27日 / 結論: その他
相続放棄の申述についても、民法第九五条の適用がある。
事件番号: 昭和29(オ)123 / 裁判年月日: 昭和32年9月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】独立当事者参加(民事訴訟法47条)において、参加人が原告の請求の棄却を求めるのみで、被告に対して別途の請求を申し立てない場合であっても、同条の参加として適法である。 第1 事案の概要:原告(上告人)が被告に対し、特定の土地の所有権および耕作権の確認ならびに所有権移転登記手続を求めて提訴した。これに…
事件番号: 昭和32(オ)356 / 裁判年月日: 昭和33年7月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者が係争地の具体的地域を特定し、祖先伝来の所有地であると主張して所有権確認を求めている場合、当該土地につき請求を認容することは、処分権主義に反しない。 第1 事案の概要:被上告人は、第一審から本件係争地の具体的地域を明らかにしていた。その上で、原審において、当該土地は祖先伝来の所有地であると主…