民訴法七一条に基づく当事者参加の申立があつた場合でも、原告は、被告及び参加人の同意を得て、訴えを取り下げることができる。
民訴法七一条に基づく当事者参加の申立があつた場合における原告の訴えの取下
民訴法71条,民訴法236条
判旨
独立当事者参加訴訟において原告が訴えを取り下げた場合、被告及び参加人の双方が同意すれば、三面訴訟関係は消失し、二当事者間の対立訴訟に転化する。
問題の所在(論点)
独立当事者参加訴訟において、原告が訴えを取り下げた場合に、三面訴訟関係が消失し二当事者対立訴訟へ転化するか。また、その際の訴えの取下げへの同意はどのように判断されるか。
規範
独立当事者参加(民事訴訟法47条、旧71条)があった場合、原告は脱退(同法48条)できるほか、被告及び参加人の双方の同意を得て訴えを取り下げることができる。この取下げにより、三面訴訟関係は消滅し、参加人と原告間、及び参加人と被告間の「単純な二当事者対立訴訟関係」に転化する。また、この取下げに関しては、相手方が訴えの取下げの書面の送達を受けた日から2週間(旧法下では3か月)以内に異議を述べないときは同意したものとみなす規定(現行法261条5項、旧236条6項)が適用される。
重要事実
1. 原告(被上告人)B1が、被告B2外に対し土地の所有権確認等を求めて提訴した。 2. 訴訟係属中、B1は一部の請求(乙請求)を取り下げる準備書面を陳述したが、被告B2外はこれに同意も異議も述べなかった。 3. 同日、A1外(参加人・上告人)が乙請求につき独立当事者参加の申立てをしたことにより、三面訴訟関係が生じた。 4. 被告B2外は、その後も取下げに異議を述べず、法定期間経過により同意したものとみなされた。 5. 参加人A1外は、弁論更新時に取下げの陳述がされた際も異議を述べず、法定期間が経過した。 6. 原審は、参加人A1外の原告B1に対する請求を全部認容(A1外の勝訴)としたが、A1外はこれを不服としてB1を相手方にも上告した。
事件番号: 昭和42(オ)861 / 裁判年月日: 昭和45年12月24日 / 結論: 破棄差戻
民訴法七一条に基づく参加があつた訴訟において、原告の請求について判断を欠く判決は違法であつて破棄を免れず、この瑕疵は、訴訟要件に準じ、職権をもつて調査すべきである。
あてはめ
1. 被告B2外は、原告B1による訴えの取下げに対し、法定期間内に異議を述べなかったため、同意したものとみなされる。 2. 参加人A1外についても、弁論更新の手続において取下げの趣旨を含む従前の口頭弁論の結果が陳述された際、これに異議を述べず法定期間を経過したため、同意したものとみなされる。 3. 被告・参加人双方の同意が擬制されたことにより、本件訴えの取下げは有効となり、三面訴訟関係は消滅して二当事者対立訴訟へと転化したといえる。 4. その結果、参加人A1外は原告B1に対し原審で全部勝訴しており、もはやB1を相手方とする上告の利益は認められないと解される。
結論
三面訴訟関係は消失し二当事者対立訴訟に転化した。参加人は原告に対し全部勝訴しており、上告の利益を欠くため、上告は却下される。
実務上の射程
独立当事者参加訴訟(47条)における訴訟関係の解消局面において、原告の脱退だけでなく、訴えの取下げによっても三面訴訟が解消され得ることを明示した。答案上では、一部の当事者間での解決や訴訟離脱が生じた際、残された当事者間の訴訟がどのように存続するか(二当事者対立訴訟への転化)を論じる際の根拠となる。
事件番号: 昭和48(オ)699 / 裁判年月日: 昭和50年3月13日 / 結論: 棄却
当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。
事件番号: 昭和39(オ)402 / 裁判年月日: 昭和40年10月15日 / 結論: 破棄差戻
民訴法第七一条に基づく参加人が原告および被告の双方を相手方として確認の請求をした場合において、相手方の一方が参加人の請求を争わないときでも、他の相手方が参加人の請求を争つているかぎり、参加人は、相手方双方に対し、当然確認の利益を有する。
事件番号: 平成3(オ)1170 / 裁判年月日: 平成6年9月27日 / 結論: その他
甲の乙に対する売買契約に基づく所有権移転登記手続請求訴訟において、丙が、乙に対して所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記手続を、甲に対して右本登記手続の承諾を求めてした参加の申出は、民訴法七一条による参加の申出に当たらない。
事件番号: 昭和26(オ)724 / 裁判年月日: 昭和28年7月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】補助参加人は当事者を補助する従属的な地位にすぎないため、被参加人は、補助参加人が提起した控訴をいつでも取り下げることができる。 第1 事案の概要:補助参加人が被参加人のために控訴を提起したが、その後、被参加人が当該控訴を取り下げた。補助参加人は、被参加人による控訴取り下げは認められないとして争った…