当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。
当事者参加訴訟において上訴の相手方とされずかつみずから上訴しなかつた当事者の上訴審における地位
民訴法62条,民訴法71条
判旨
独立当事者参加訴訟において、一当事者が他の一当事者のみを相手方に上告した際、上訴の効力は残る一当事者にも及び、その者は被上告人の地位に立つ。この場合、上訴審は合一確定に必要な限度で、上訴等がない不利益な当事者のためにも原判決を変更できる。
問題の所在(論点)
独立当事者参加訴訟において、一部の当事者間でのみ上訴が提起された場合、上訴の相手方とされなかった当事者の訴訟上の地位および上訴審における判決変更の可否が問題となる。
規範
独立当事者参加訴訟(民訴法47条)は、三当事者間にそれぞれ対立関係が生じ、その一人の上訴により全当事者につき移審の効果が生ずる。かかる三当事者間の訴訟において、その一人が他の一当事者のみを相手方として上訴した場合には、民訴法40条2項(共同訴訟人に対する上訴の効力)の準用により、残る一当事者に対しても上訴の効力を生じ、当該当事者は「被上訴人」としての地位に立つ。この際、上訴審は合一確定に必要な限度で、不服を申し立てていない当事者の利益にも原判決を変更できる。
重要事実
X(原告)はY(被告)に対し溜池の所有権移転登記を請求し、Z(参加人)はXに対し所有権移転登記、Yに対し所有権確認を求めて独立当事者参加をした。YはXおよびZに対し所有権確認等の反訴を提起。一審はXの請求を棄却、ZのXに対する請求を認容、ZのYに対する請求を棄却、Yの反訴を認容した。二審でX・Zの控訴が棄却された後、ZはYのみを相手方として上告を提起した。
事件番号: 昭和59(オ)199 / 裁判年月日: 平成元年9月19日 / 結論: その他
一 戦後アメリカ合衆国軍隊に接収され今日まで軍用地として使用されている土地につき、登記簿上の所有名義人が同国政府のために締結された賃貸借契約に基づき継続して軍用地料を受領し、公租公課も負担してきたなど原判示の事実関係の下においては、右所有名義人の時効取得を認めることができる。 二 選択的併合の関係にある一の請求を認容し…
あてはめ
本件ではZがYのみを相手方として上告したが、独立当事者参加訴訟の合一確定の要請から、上訴の効果はXにも及ぶ。したがって、Xは被上告人の地位に立つと解される。原審は、Xが控訴を提起しなかったとしてもZと実質的に利害を同じくするとの理由でXを「控訴人」として扱ったが、これは被上訴人として扱うべきところを誤ったものであり違法である。もっとも、Zの上告自体に理由がなく、原判決の結論に変更を要しないため、破棄の必要はないと判断される。
結論
ZがYのみを相手方に上告した場合でも、Xに対して上訴の効力が及び、Xは被上告人の地位に立つ。本件上告は棄却される。
実務上の射程
独立当事者参加訴訟の控訴・上告における「上訴不可分の原則」を確認した重要判例である。答案上は、一部の当事者についてのみ上訴がなされた場合の移審の範囲と当事者の地位を論じる際、民訴法40条2項の準用を根拠として本判例を引用すべきである。特に、上訴人にならなかった者の地位が「被上訴人」であることを明記することが肝要である。
事件番号: 昭和58(オ)749 / 裁判年月日: 昭和60年3月15日 / 結論: その他
民訴法七一条に基づく当事者参加の申立があつた場合でも、原告は、被告及び参加人の同意を得て、訴えを取り下げることができる。
事件番号: 平成3(オ)1684 / 裁判年月日: 平成7年7月18日 / 結論: その他
共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
事件番号: 昭和29(オ)123 / 裁判年月日: 昭和32年9月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】独立当事者参加(民事訴訟法47条)において、参加人が原告の請求の棄却を求めるのみで、被告に対して別途の請求を申し立てない場合であっても、同条の参加として適法である。 第1 事案の概要:原告(上告人)が被告に対し、特定の土地の所有権および耕作権の確認ならびに所有権移転登記手続を求めて提訴した。これに…
事件番号: 昭和48(オ)369 / 裁判年月日: 昭和50年3月6日 / 結論: 棄却
買主に対する土地所有権移転登記手続義務を相続した共同相続人の一部の者が右義務の履行を拒絶しているため、買主が相続人全員による登記手続義務の履行の提供があるまで代金全額について弁済を拒絶する旨の同時履行の抗弁権を行使している場合には、他の相続人は、自己の相続した代金債権を保全するため、右買主が無資力でなくても、これに代位…