共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えと固有必要的共同訴訟
民訴法62条,民法252条,民法280条
判旨
要役地が数人の共有に属する場合、各共有者は単独で共有者全員のために地役権設定登記手続を求める訴えを提起することができ、当該訴えは固有必要的共同訴訟に当たらない。
問題の所在(論点)
要役地が共有である場合、一部の共有者が単独で、共有者全員のために地役権設定登記手続を求める訴えを提起することができるか。また、その訴えは固有必要的共同訴訟に該当するか。
規範
要役地の共有者は、自己の持分のみならず、共有物全体の価値を維持・保全する目的において、単独で共有者全員のために共有物の保存行為(民法252条ただし書)として地役権設定登記を請求できる。したがって、当該請求に係る訴えは、各共有者が個別に提起し得るものであり、共有者全員が共同して原告となるべき固有必要的共同訴訟(民訴法40条1項参照)には当たらない。
重要事実
本件要役地の共有者の一部である上告人らが、承役地の所有者である被上告人に対し、通路や子供の遊び場等として使用することを内容とする地役権設定登記手続を求めて提訴した。原審は、本件要役地の共有者全員と被上告人との間に通行地役権の設定があった事実は認めたものの、共有者の一部による本件請求は「要役地の共有持分のための地役権設定」を求めるもので不可能な権利の主張であるか、仮に共有者全員のための請求だとしても固有必要的共同訴訟に当たるため一部の者による提訴は不適法であるとして、これを退けた。
事件番号: 昭和36(オ)485 / 裁判年月日: 昭和37年5月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】借地法9条(現借地借家法25条)の「一時使用のため借地権を設定したことが明らかな場合」に該当するか否かは、借地権設定の目的、建物の種類・構造、賃貸借期間の長短、その他の諸般の事情を総合的に考慮して判断される。 第1 事案の概要:上告人A2、訴外D、被上告人の被承継人の3名は、共同事業(菓子製造販売…
あてはめ
まず、上告人らの請求の趣旨は、不可能な「共有持分のための地役権設定」ではなく、持分権に基づき「共有者全員のため、要役地のために地役権設定登記」を求めるものと解すべきである。その上で、要役地の共有地役権はその不可分性(民法282条1項)等に鑑み、各共有者がその効力を等しく享受するものである。したがって、地役権の登記を求める行為は共有物の保存行為に該当し、各共有者が単独でなし得る。ゆえに、共有者全員が共同して訴えを提起しなければならないという制約は課されず、固有必要的共同訴訟には当たらないと解される。
結論
各共有者は単独で本件訴えを提起することができ、本件請求を不適法とした原判決には法令の解釈適用の誤りがあるため、破棄・差し戻しを免れない。
実務上の射程
共有権に基づく保存行為としての登記請求権の行使に関する一般法理を確認したものである。司法試験においては、民法上の「保存行為」の具体例として、また民事訴訟法上の「固有必要的共同訴訟」の成否(管理処分権の帰属態様)を論じる際の判断基準として活用できる。
事件番号: 昭和31(オ)172 / 裁判年月日: 昭和33年3月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産登記は物権変動の対抗要件にすぎず、第三者が登記名義を有しない実体上の所有者を認め、登記名義人への権利帰属を否認することは妨げられない。また、未登記不動産の譲受人が直接自己名義で行った所有権保存登記は、現在の権利状態と符合する限り有効である。 第1 事案の概要:本件土地は実質的にA1の所有であ…
事件番号: 平成1(オ)427 / 裁判年月日: 平成4年5月22日 / 結論: 棄却
農地の賃貸借を解除するには、事前に農地法二〇条一項所定の知事の許可を得ることを要する。
事件番号: 平成30(受)1563 / 裁判年月日: 令和元年7月18日 / 結論: 破棄差戻
都市計画区域内にある公園について,湖南市地域ふれあい公園条例(平成17年湖南市条例第35号)に基づく公告がされたことをもって,都市公園法2条の2に基づく公告がされたとはいえない。
事件番号: 昭和48(オ)699 / 裁判年月日: 昭和50年3月13日 / 結論: 棄却
当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。