一 戦後アメリカ合衆国軍隊に接収され今日まで軍用地として使用されている土地につき、登記簿上の所有名義人が同国政府のために締結された賃貸借契約に基づき継続して軍用地料を受領し、公租公課も負担してきたなど原判示の事実関係の下においては、右所有名義人の時効取得を認めることができる。 二 選択的併合の関係にある一の請求を認容した原判決に対する上告審において他の請求を認容するときは、原判決は、当然に失効する。
一 アメリカ合衆国軍隊の軍用地として使用されている土地につき時効取得が認められた事例 二 選択的併合の関係にある一の請求を認容した原判決に対する上告審において他の請求を認容するときと原判決の帰すう
民法162条,民訴法227条,民訴法408条
判旨
遺産確認の訴えは、共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟である。そのため、相続人の一部を欠いた遺産確認の訴えは不適法となるが、共有持分確認請求が併合されている場合にそれが認容されれば、遺産確認請求部分は当然に失効する。
問題の所在(論点)
特定の財産が亡人の遺産に属することの確認を求める「遺産確認の訴え」の法的性質は何か。また、共同相続人の一部を除外して提起された当該訴えの適法性はどう判断されるか。
規範
遺産確認の訴えは、当該財産が遺産分割の対象となる現存の遺産であることを確定するものであり、共同相続人全員の間で合一にのみ確定することを要する性質を持つ。したがって、民事訴訟法上の固有必要的共同訴訟(民訴法40条1項参照)と解すべきであり、相続人全員を当事者(原告又は被告)としなければならない。
重要事実
亡Dの所有していた土地について、共同相続人として長男の代襲相続人である上告人、被上告人ら、およびGの計7名が相続した。被上告人らは、Gを当事者に加えることなく、上告人に対して当該土地が亡Dの遺産であることの確認(遺産確認の訴え)および各自の共有持分(各7分の1)の確認を求めて提訴した。
事件番号: 昭和48(オ)699 / 裁判年月日: 昭和50年3月13日 / 結論: 棄却
当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。
あてはめ
本件における遺産確認の訴えは、亡Dの共同相続人の一人であるGを当事者としないで提起されている。固有必要的共同訴訟においては、当事者適格が共同相続人全員に帰属するため、一部を欠く訴えは不適法である。もっとも、本件では共有持分確認請求が選択的に併合されており、被上告人らが各7分の1の持分を有することは実体法上正当である。共有持分確認請求が認容されることにより、不適法な遺産確認請求部分は当然に失効し、判決の結果に影響を及ぼさない。
結論
遺産確認の訴えは固有必要的共同訴訟であり、相続人の一人でも欠いた場合は不適法となる。本件ではGを欠くため不適法であるが、共有持分確認の請求は理由があるため、これを確認する。
実務上の射程
実務上、遺産分割の前提となる遺産の範囲に争いがある場合は、本判決に基づき、相続人全員を当事者として遺産確認の訴えを提起する必要がある。答案上は、固有必要的共同訴訟の典型例として、当事者適格の有無を検討する際に引用すべき判例である。また、共有持分確認請求との関係性についても留意が必要となる。
事件番号: 平成3(オ)1684 / 裁判年月日: 平成7年7月18日 / 結論: その他
共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
事件番号: 昭和39(オ)1267 / 裁判年月日: 昭和40年6月18日 / 結論: 棄却
無権代理人が本人を相続し、本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合には、本人がみずから法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当である。
事件番号: 昭和43(オ)1167 / 裁判年月日: 昭和44年9月11日 / 結論: 棄却
譲渡令による強制譲渡手続が譲渡令書の未交付の状態において譲渡令が廃止され、農地法が施行された場合は、該強制譲渡の手続を受け継ぐ手続は、農地法施行法一三条による農地法一五条およびこれに関連する法令による手続である。
事件番号: 昭和41(オ)1012 / 裁判年月日: 昭和44年2月27日 / 結論: 棄却
不動産の譲受人を債権者とし譲渡人を債務者として右不動産について処分禁止の仮処分登記が経由され、その後第三者に対する所有権移転登記が経由された場合において、仮処分債権者たる譲受人より譲渡人に対する本案訴訟としての所有権移転登記手続請求の訴と右第三者に対する所有権取得登記の抹消登記手続請求の訴とが併合して審理され、仮処分債…