民訴規則第四六条違背の抗告理由は不適式であり、該抗告は却下を免れない(民訴規則第五三条は上告審には適用がない)。
民訴規則第四六条違背を理由に特別抗告を却下した事例。
民訴規則46条,民訴規則53条
判旨
憲法違反を理由とする抗告において、違憲の事由を具体的に示さず、適式の抗告理由記載方式を欠く場合は、抗告を不適法として却下すべきである。
問題の所在(論点)
憲法違反を理由とする抗告において、具体的な違反事由を記載しない申立てが、民事訴訟規則に定める適式の抗告理由記載方式を具備しているといえるか。
規範
特別抗告等の抗告申立てにおいて、憲法違反を主張する場合には、対象となる憲法条項の違反事由を具体的かつ適式に記載しなければならず、これを欠く申立ては民事訴訟規則に定める方式に違背するものとして不適法となる。
重要事実
抗告人は、本件抗告において憲法13条、14条、19条、24条の違反を主張したが、各条文に違背する具体的な事由を適式に記載していなかった。
あてはめ
抗告人は憲法13条、14条、19条、24条違反をいうが、同条に違背する事由を具体的に示していない。これは、民事訴訟規則に定める適式の抗告理由記載方式を具備していないものと評価される。
事件番号: 昭和26(ク)204 / 裁判年月日: 昭和26年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法(当時)により憲法違反の判断が含まれる場合に限定され、実質的に法令解釈の不当を争うものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定が憲法第29条(財産権)に違反するものであると主張して、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的内容は、実…
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
特別抗告や再審の訴え等、憲法違反を理由とする不服申立て全般において、単なる条文の列挙ではなく「具体的な違憲事由」の適示が形式的有効要件となることを示す。答案上は、不適法却下の根拠として簡潔に引用するにとどめるべき事案である。
事件番号: 昭和52(ク)409 / 裁判年月日: 昭和54年7月19日 / 結論: 却下
扶養を命ずる審判に対する抗告事件の係属中に扶養権利者が死亡した場合に、抗告審が、死亡時までの扶養料債権が金銭債権として相続の対象となると解し、相続人に受継させたうえ抗告人にその支払を命じたとき、抗告審の右見解の当否は抗告人において別途民事訴訟によつてこれを争うことができ、いかなる意味においても憲法違反の問題を生ぜず、そ…
事件番号: 昭和26(ク)60 / 裁判年月日: 昭和26年5月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告申立てが許容されている場合に限られる。民事事件における最高裁判所への抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を主張するもの(旧民訴法419条の2)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し…
事件番号: 昭和23(ク)41 / 裁判年月日: 昭和24年2月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に定めた場合を除き認められない。特別抗告については、憲法違反等の特定の理由がある場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、下級審の決定に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、当該抗告申立書の内容からは、原決定において憲法上の判断が不当である(憲法違反があ…
事件番号: 昭和29(ク)4 / 裁判年月日: 昭和29年3月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(民訴法336条、旧419条の2)が適法となるためには、原決定に憲法違反があることを具体的に主張する必要があり、実質的な訴訟法違反や事実誤認の主張は適法な抗告理由とならない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(原判決を維持したもの)に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。…