再審事由は、確定判決に対する請求異議の訴における異議事由とはならない。
再審事由と請求異議の訴における異議事由。
民訴法420条,民訴法545条
判旨
再審の訴えと請求異議の訴えは目的・性質が全く異なるため、証人の偽証等の再審事由を請求異議の訴えにおける異議事由とすることはできない。
問題の所在(論点)
確定判決に再審事由(証人の偽証等)が存在する場合、これを請求異議の訴えにおける異議事由として主張し、当該判決の執行力を排除することができるか。再審の訴えと請求異議の訴えの関係が問題となる。
規範
再審の訴えと請求異議の訴えは、その目的および性質において全く異なるものである。したがって、再審事由(民事訴訟法338条1項各号所定の事由)は、確定判決に対する請求異議の訴えにおける異議事由(民事執行法35条)とはならない。
重要事実
上告人(債務者)は、被上告人(債権者)から提起された前訴の確定判決につき、執行力の排除を求めて請求異議の訴えを提起した。その際、上告人は、当該確定判決が証人の偽証等によってなされたものであると主張し、これを異議事由として構成した。
あてはめ
上告人は確定判決の基礎となった証言に偽証がある旨を主張するが、これは本来再審の訴え(民事訴訟法338条1項7号等)によって争われるべき事由である。請求異議の訴えは判決後の権利消滅等を理由に執行力を奪う手続であり、既判力を有する確定判決の認定過程の瑕疵を後訴で蒸し返すことは、制度の目的および性質の違いから許されない。上告人の主張は、取引の不存在という実体的な異議事由と別異のものとは解し難く、再審事由を直接の異議事由とする主張は正当ではない。
結論
再審事由を請求異議の事由とすることはできないため、上告人の請求は認められない。
実務上の射程
判決の既判力を排除するためには原則として再審の訴えによるべきであり、請求異議の訴えで判決以前の事実誤認や手続違背を突くことはできないという判決効の優越性を示すものである。ただし、本判決後、確定判決の執行が著しく不当で信義則に反するような特段の事情がある場合に、例外的に執行を許さないとする「判決の執行力の濫用」の議論(最判昭63.10.20等)へと展開していく際の出発点となる知識である。
事件番号: 昭和49(オ)349 / 裁判年月日: 昭和52年7月21日 / 結論: その他
貸主と借主の連帯保証人との間の金銭消費貸借公正証書中、将来発生する分を含めた遅延損害金債権の部分について、連帯保証及び公正証書作成嘱託の委任の各事実の不存在、予備的に遅延損害金債権の放棄を異議の事由とする請求異議の訴に対し請求棄却の確定判決があるときには、のちの請求異議の訴において、利息制限法の定めを根拠に遅延損害金債…