原判決が農地買収計画が失効したと認定したのは不合理ではない。
農地買収計画が失効したとの認定の当否。
自作農創設特別措置法6条
判旨
農地の買収処分が適法に行われるためには、有効な買収計画の存在が必要であり、計画が失効した場合や計画に基づかないで行われた処分は違法である。
問題の所在(論点)
農地買収処分の前提となる買収計画が失効している、あるいは計画自体に定めがない場合に、当該買収処分は適法といえるか。買収計画の存続性と処分の根拠が問題となる。
規範
自作農創設特別措置法に基づく農地の買収処分は、適法に策定され、かつ有効に存続している買収計画に基づいて行われなければならない。過去に策定された計画であっても、所定の時期までに承認を受けられず失効したものと取り扱われた場合には、当該計画を処分の根拠とすることはできない。
重要事実
村農地委員会は、昭和22年12月に本件農地を含む第五次買収計画を策定したが、買収時期までに県農地委員会の承認を得られず、実務上失効したものとして取り扱われた。その後、昭和23年4月に第七次買収計画が策定された際、上告人は本件農地についても計画を定めたと主張したが、実際には第七次計画に本件農地は含まれていなかった。上告人は、仮に第七次計画に含まれていなくとも、第五次計画が有効に存続しているとして、本件買収処分の適法性を主張した。
事件番号: 昭和30(オ)695 / 裁判年月日: 昭和31年4月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】先行する買収計画に違法がある場合、計画に対する不服申立期間経過後であっても、後行の買収処分の取消訴訟において計画の違法を主張できる。また、法令上の除外要件に客観的に該当する土地を対象とする買収は、行政庁による指定の有無にかかわらず違法となる。 第1 事案の概要:自作農創設特別措置法に基づき、行政庁…
あてはめ
本件において、第五次買収計画は県農地委員会の承認を得られないまま買収時期を徒過しており、上告人自身が第七次計画を策定し直していることからも、第五次計画の失効を前提としていたといえる。また、実際に県が承認したのは第七次計画であるが、同計画の中に本件農地に関する計画は含まれていなかった。したがって、本件買収処分は、有効な根拠となるべき買収計画を欠いた状態で行われたものと解される。
結論
本件買収処分は買収計画に基づかない処分であり、違法である。したがって、処分の有効性を主張する上告人の請求は棄却されるべきである。
実務上の射程
行政処分の要件として法定されている先行手続(本件では買収計画の策定・承認)を欠く処分が、重大な瑕疵として処分の効力に影響を及ぼすことを示す。特に、一度失効した計画を遡及的に利用することや、計画外の対象を処分することの違法性を論じる際の論拠となる。
事件番号: 昭和36(オ)1189 / 裁判年月日: 昭和38年5月21日 / 結論: 棄却
自創法第三条の規定による農地の買収において、買収令書は作成されたが交付されなかつたという場合には、行政処分としては成立しても、効力を生ずるに由ない無効の処分と解するのが相当である。
事件番号: 昭和38(オ)348 / 裁判年月日: 昭和39年7月7日 / 結論: 棄却
行政処分の無効を主張するについては、当該行政処分に重大かつ明白な瑕疵があることを具体的事実に基づいて主張すべきである。
事件番号: 昭和39(行ツ)104 / 裁判年月日: 昭和42年6月20日 / 結論: 棄却
自作農創設特別措置法第三条第一項第三号の超過面積算定の基礎となるべき小作地は、地主がその住所のある市町村の区域内において所有する小作地にのみ限られ、隣接市町村の区域内において所有する小作地はこれに含まれない。
事件番号: 昭和38(オ)355 / 裁判年月日: 昭和38年12月19日 / 結論: 棄却
自作農創設特別措置法第五条第四号の規定による主務大臣の指定する土地に関する件(昭和二三年一月二九日農林省告示第一〇号)は、耕地整理法に基づき耕地整理を施行した土地で宅地としての利用を増進する効果を伴つたもののうち、その施行が都市計画法施行以前に設立された耕地整理組合によつてなされたものに限り、これをもつて自作農創設特別…