一 行政機関職員定員法附則第五項は、憲法第二八条に違反しない。 二 組合幹部の違法な組合活動を整理基準に該当すると認めることは、いわゆる組合幹部の責任を問うことにならない。
一 行政機関職員定員法附則第五項と憲法第二八条。 二 組合幹部の違法な組合活動を整理基準に該当すると認めることは、いわゆる組合幹部の責任を問うことになるか。
行政機関職員定員法附則5項,憲法28条,労働組合法7条1号
判旨
公務員に対する免職処分が、正当な組合活動を理由とする不利益取扱い(国家公務員法98条3項)に該当するか否かは、当該活動が正当な範囲を逸脱しているか、および処分が組合員等の立場を理由になされたかによって判断される。
問題の所在(論点)
公務員に対する免職処分が、国家公務員法98条3項(現108条の7参照)が禁じる「職員が組合員であること……若しくは組合を結成し、若しくはこれに加入しようとしたこと……若しくは組合における正当な行為をしたことのゆえに、不利益な取扱い」に該当するか。
規範
国家公務員法98条3項(当時)が禁止する不利益取扱いに該当するか否かは、①当該組合活動が正当な範囲を逸脱していないか、および②当該処分が、単に組合の幹部であることや正当な組合活動を行ったこと自体を理由としてなされたものか、という観点から判断すべきである。違法な組合活動を自ら企画・煽動し、または違法な組合決議を積極的に支援する行為は、正当な組合活動の範囲を逸脱するものと解される。
重要事実
郵政職員である上告人らが、行政機関職員定員法に基づく人員整理の対象となり免職処分を受けた。上告人らは、本件処分が全逓地区組合の幹部として組合活動に従事したことを理由とする不利益取扱いであり、国家公務員法98条3項に違反すると主張した。原審は、上告人らが単に組合決議を執行したにとどまらず、違法な組合活動を自ら企画・煽動し、または積極的に支援した事実を認定した。
あてはめ
上告人らの行為は、単なる組合決議の執行にとどまるものではない。違法な組合活動を自ら企画し、煽動し、あるいは違法な決議を積極的に支援したものである。このような行為は、正当な組合活動の範囲をすべて逸脱したものであると評価される。また、本件処分が上告人らが組合幹部であること自体を理由としてなされたことを示す証拠も認められない。したがって、本件処分は「正当な行為」を理由とする不利益取扱いにはあたらない。
結論
本件各免職処分は国家公務員法98条3項の禁止する不利益取扱いにあたらず、有効である。
実務上の射程
公務員の労働基本権の制限に関連し、不当労働行為類似の不利益取扱い禁止規定の解釈を示す。組合活動の「正当性」の限界を、企画・煽動・積極的支援といった態様から判断する際の枠組みとして活用できる。
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